ポーランド、ウクライナへの武器支援停止を発表

ポーランド、ウクライナへの武器支援停止を発表
握手するポーランドのドゥダ大統領とゼレンスキー大統領(mod poland)

ロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナの支援国として多くの兵器を供与してきたポーランドだが、今後、ウクライナに兵器を支援しないことを発表した。

sponser

ウクライナは18日、同国産農産物の輸入を独自に禁止したポーランド、スロバキア、ハンガリーの3カ国に対し、輸入禁止措置は欧州連合(EU)の国際義務に違反するとしていると、世界貿易機関(WTO)に提訴した。更に19日の国連総会演説でウクライナのゼレンスキー大統領が輸入禁止を批判。国こそ名指しはしなかったが、輸入禁止が「ロシアを間接的に支援することになる。一部の国はウクライナの反撃を支持しているふりをしているだけだ」と述べたことに対しポーランドが激怒。

イギリスBBCなどによれば、20日、ポーランドのモラウィエツキ首相はテレビ演説でウクライナへの武器供与の停止を発表した。その理由を「ポーランドをより先進的な兵器で自衛する必要があり、これ以上ウクライナに兵器を移転しない」と述べ、あくまで自衛のためと述べたが、タイミング的に農産物の輸入の問題とゼレンスキー氏の発言がきっかけと推測されている。

ポーランドは東欧の中堅国ながら、アメリカ、イギリス、ドイツといったNATOの盟主にならぶウクライナ支援国の筆頭だ。ロシアの侵攻が始まって直ぐは隣国という事もあり多くの難民を受け入れ、さらにNATO加盟国の中でも率先して重火器といった武器供与を実施。多くのソ連製兵器を所有していたこもあり、これらをウクライナに供与してきた。T-72系の戦車に関してはこれまで少なくとも330両以上を提供。さらにドイツ製のレオパルト2A4戦車も14両提供している。また、今年4月にはMiG-29戦闘機14機の提供も発表していた。ウクライナは農作物の輸入問題によって、今後、この大きな後ろ盾を失うことになるかもしれない。ポーランドからは今後、F-16戦闘機の供与も期待されていたが、これはこのままでは実現しないかもしれない。ただ、ポーランドが保有していた旧式ソ連製兵器もほぼ出し尽くした感もあり、これ以上の武器支援は難しいと言うのも実情かもしれない。

sponser

ウクライナは黒海がロシアによって封鎖されたことで農作物の海上輸出が困難になると隣国からの陸路輸出に切り替えていた。しかし、これにより、ポーランドを含めた東欧の穀物価格が下落。EUの主導の下、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、ルーマニアの5カ国は自国の農家を保護するためにウクライナ産農産物の直接輸入を禁止し、経由のみを可能にした。この措置は9月15日で満了。しかし、ポーランド、スロバキア、ハンガリーの3か国は独自に輸入禁止を継続していた。ハンガリーは初めからウクライナを全く支援していないが、スロバキアもウクライナの主要な支援国であり、ゼレンスキー氏の発言はスロバキアを批判したことにもなり、ポーランドの対応に続く可能性も否定できない。セレンスキー氏は更なる支援と継続を求めるために国連総会に出席したが、裏目に出てしまった。

sponser

Source

https://www.bbc.com/news/world-europe-66873495

sponser
ポーランド、ウクライナへの武器支援停止を発表
フォローして最新情報をチェックしよう!