ロシアは直近3カ月で3つのS-400防空システムを失い、クリミアの防空能力は半減

ロシアは直近3カ月で3つのS-400防空システムを失い、クリミアの防空能力は半減

ロシアが誇る長距離防空システムS-400。これらはウクライナ南部ヘルソンやクリミア半島に重点的に配置されていたが、直近3か月で3基のS-400が破壊されており、同地域のロシア軍の防空能力は半減している。

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ウクライナ海軍は14日早朝、巡航ミサイルと無人機を使用してクリミア半島東部エフパトリヤ近郊のロシア施設を攻撃、S-300とS-400からなる複合防空システムの破壊に成功した。ウクライナ特殊部隊の関係者によると、攻撃にはウクライナ国産の巡航ミサイル「ネプチューン」と自爆ドローンが使用された。攻撃ではまず、自爆ドローンによって防空システムの目となるレーダーとアンテナを破壊。そして、ミサイルの発射装置をネプチューンによって破壊した。S-400の破壊はここ1カ月で実に2基目になる。8月23日朝には東端タルカンクート岬のオレニフカ村近にあるS-400を破壊している。攻撃方法は発表されていないが同じくネプチューン、若しくはイギリス、フランスから供与されている巡航ミサイル「ストームシャドー/SCALP」と使われたと言われている。ロシアはクリミア半島の防空を強化すべく、5基のS-400を半島に配備していた。その内、2つを失ったのだ。更に7月には南部ヘルソンに配備されてたS-400も破壊されている。これはHIMARSのロケット弾によって破壊されたとされる。同地域では5月にもS-400が破壊されている。

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最強の防空システムといわれたS-400

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S-400は1970年代に開発されたS-300の後継として1990年代に開発、2007年から配備が始まった防空ミサイルシステム。現在、後継のS-500が開発されているが、量産が進んでおらず、実質S-400がロシア軍が配備する最新鋭の長距離防空システムになる。最大400km先、高度30kmの標的を撃墜でき、レーダーは600km先、最大100個のターゲットを検出する。長距離防空ミサイルシステムとしては最強と謳われ、航空機、巡航および弾道ミサイル、更に迎撃が難しいとされる極超音速兵器も迎撃できるとされ、地上標的にも有効だ。ロシアでは配備されていたS-300の70%がS-400に置き換えられたとされている。

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セヴァストポリのミサイル攻撃を防げなかった

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クリミア・セヴァストポリが攻撃を受けロシア海軍のキロ級潜水艦、ロプーチャ級揚陸艦が損傷

エフパトリヤのS-400が破壊される前日に港湾都市セヴァストポリがウクライナ軍のミサイル攻撃を受け、潜水艦1隻、大型揚陸艦1隻が破壊されている。この攻撃時、エフパトリヤのS-400は健在だった。エフパトリヤからセヴァストポリまでの距離は60kmであり、十分、射程内おさめるが、攻撃を防ぎきることはできなかった。S-400が機能したのかは不明だが、ロシアはミサイル10発中7発を迎撃したと主張しているが、それでも迎撃率は70%。パトリオットやNASAMSといった西側の防空ミサイルが90%以上の迎撃率を誇ることを考えると低いと言わざるを得ない。もちろん、攻撃に使用されたとされるストームシャドウ/SCALPの性能が高いというのもある。ウクライナのネプチューンも実は今年4月に近代化改修が行われ、飛距離や誘導機能、ステルス性がアップしている。また、ウクライナはデコイやレーダー妨害といった対策を講じているともされる。だが、ミサイル攻撃を防げなかったことは、ロシアの今後の兵器ビジネスにも重い影を落とすだろう。S-400は主要な輸出兵器でインド、トルコ、イランなどに輸出されている。

ウクライナ南部、クリミアの防空網は依然と比べ、半減したと言ってもいいかもしれない。ロシアとしては防空網の強化を図りたいところだと思うが、モスクワなどロシア国内への無人機攻撃も行われているなかで、国内の防空ミサイルを安易に配置展開はできない。

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Source

https://mil.in.ua/uk/articles/zrk-s-400-nevypravdani-ochikuvannya-i-vtraty/

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