ロシア国防省はロシア航空宇宙軍がSu-34戦闘爆撃機の近代化アップグレード版であるSu-34Mの最初のバッジを受け取ったと発表しました。
国防省は、4機のSu-34Mが6月末に東部軍管区の防空部隊の爆撃機部隊”第227爆撃機連隊第3戦隊”に配備されたと述べました。東部軍管区は極東、オホーツク海に面するハバロフスク地方を拠点とするロシア軍最東端の部隊です。つまり、ウクライナとは正反対の場所にあり、まずはここで軍による訓練飛行が行われます。新しく近代化されたSu-34M、2020年に76機が発注され、2027年までに全機の納入が予定されています。
Su-34Mとは
Su-34は1990年代に開発が始まり、2007年から本格運用が始まったロシア航空宇宙軍の機体のなかでは比較的新しい機体です。Su-27戦闘機をベースにしていますが、空中戦と爆撃の双方を行えるマルチロール戦闘爆撃機になり、全長23.34m(Su-27:全長21.94m)、全高6.09m(全高5.94m)とSu-27よりも機体を大型化。2人乗りですが縦に並ぶタンデムではなく、この手の形状の航空機では珍しい操縦士と副操縦士の2人が横並びに座るツインシートを採用。コクピットは広く、パイロットは立ち上がることができ、トイレも付いています。燃料満載で最大10時間の連続飛行が可能です。
標準の約12トンの兵装で戦闘半径は1100km。対空、対地、対艦といった様々な兵装が搭載可能で最近装備されたKh-35U対艦空対地ミサイルは250km先の艦船を破壊する威力を持ちます。
近代化されたSu-34Mでは最新のアビオニクス、そして、それぞれ異なる特徴を持った交換可能な3つの偵察ポッドが追加(UKR-RT、UKR-OE、UKR-RL)されます。UKR-RTはM410電磁センサーを使用して、敵のレーダー信号を検知、特定。UKR-OEは、M433 Raduga-VM 赤外線スキャナーとAntraktカメラシステムを組み合わせた光電子センサー。UKR-RLは低視程下でも、最大290kmの上空、96kmの海上、48kmの地上を探知できるセンサーになります。さらに機体後方にもレーダーが設置され、後ろ半球をスキャン、後方から忍び寄る危険を察知し、素早い自衛措置を取ることができます。開発元の統一航空機製造会社のYuriySlyusar局長によれば、近代化されたSu-34Mは、前のSu-34よりも2倍の戦闘能力を備えています。
ロシア・ウクライナ戦争の両軍の被害状況を調査しているOryxのレポートによればロシア空軍は少なくともこれまで10機のSu-34を失っています。
Source
https://bmpd.livejournal.com/4550723.html
https://eurasiantimes.com/russia-gets-its-most-advanced-fighter-aircraft-amid-war-with-ukraine/