ロシアはアサド大統領を救出しない!奥さんと娘、兄弟は既に国外脱出、大統領は雲隠れ

ロシアはアサド大統領を救出しない!奥さんと娘、兄弟は既に国外脱出、大統領は雲隠れ
asma assad facebook

首都ダマスカスまで160km地点まで迫る反政府勢力。アサド大統領は窮地に陥っているが、ロシアはアサド大統領ら政権幹部を救出する意向はないとされている。既に大統領家族は国外脱出しており、アサド大統領は公に姿を現しておらず、国内にいるのかすら不明な状況だ。

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ウォール・ストリート・ジャーナルはシリアの治安当局者とアラブ諸国の当局者の話として、反政府勢力が大規模攻勢を始めた11月27日の2日後の29日金曜にアサド大統領の英国生まれの妻アスマ・アサドさんが、3人の子どもたちを連れて逃亡したと報じた。場所は不明だ。また、アサド大統領の義理の兄弟2人も既にシリアから出国し、アラブ首長国連邦(UAE)に渡ったという。

反政府勢力は攻勢開始からわずか10日ほどで主要都市3都市を制圧した。8日にはダマスカスまで160kmの位置にある中部ホムスが制圧されたと報じられている。また、南部のダルアーとスワイダでも反政府勢力が武装蜂起、南北から迫っており、アサド政権は窮地に、このままいけば年内にも首都ダマスカスが堕ちる可能性がある。そうなれば、現政権は崩壊、アサド大統領、そして、政権幹部、支配層である少数派のアラウィー派の首が飛ぶことになるだろう。そうなる前にこれまで全面的に支援してきたロシアが、大統領を救出するのではと思われていたが、そうもいかないらしい。

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ブルームバーグ通信によれば、クレムリンに近い筋からの情報として、ロシアのプーチン大統領はアサド大統領の救出計画は考えていないとされる。大規模攻勢が始まった時こそ、プーチン氏はアサド大統領への全面的支援を表明していたが、アサド政府軍が組織だった抵抗することなく、拠点、供与した兵器を次々と放棄して撤退している状況に嫌悪感を抱いているとされる。それはそうだろう、2015年に軍事介入してから、ロシアは多額の費用と人的損失を費やしてアサド政権を支援。劣勢だった政府軍を立て直し、政権を維持させた。もはや、シリアにおけるアサド政権の勝利は確実と言われていた。だが、攻勢が始まったら、この体たらくだ。その、アサド大統領も反政府勢力の攻勢が始まってから姿を現しておらず、行方不明だ。国外に逃亡したという噂もある。実際、2011年に内戦が始まり、劣勢だった2012年にはアサド大統領はモスクワへの逃亡を計画していたと報じられている。今回はおかんむりのプーチン大統領が受け入れるかは不明だ。アサド政権支持のテレビ局が大統領はイランに渡航したと報じたが、その後、否定している。今の状況で大統領が国外逃亡すれば、それはアサド政権の終わりを示し、現場の兵士も戦闘を放棄する可能性がある。

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頼みのつなのイランとロシアも撤退か

アサド政権を長年支援してきたイランとロシアは自国民に国外退去するよう伝えている。ニューヨークタイムズは地域当局とイラン当局の話を引用し、シリアから退避させられたイラン人のなかには、イスラム革命防衛隊(IRGC)のコッズ部隊の上級司令官、一部の外交官とその家族、民間人が含まれており、避難は29日金曜朝から始まっているという。シリアにはヒズボラ戦闘員など親イラン民兵が10万人いるとされ、IRGC司令官の避難は彼らに混乱と士気の低下をもたらす可能性がある。レバノンのヒズボラが精鋭部隊を支援のために送ったという情報があるが、イスラエルとの戦闘で疲弊し、停戦中とはいえ、まだ予断を許さない状況であり、この情報についてはいささか疑問だ。イランがミサイルやドローン、軍事顧問を派遣したとの情報もあるが、IRGC司令官の退避と矛盾していることから、情報は錯そうしている。これらは情報戦の一貫もあるだろう。

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シリアに駐留していたロシア軍も北部地域にあった主要基地から撤退しており、ロシア海軍が管理する北西部地中海沿岸のタルトゥース海軍基地からはロシア艦艇が一時期いなくなったのが確認されている。完全撤退は否定しているが、反政府勢力が迫っており先行きは不透明だ。近くのロシア空軍の主要基地であるフメイミム空軍基地からは基地防衛に重要なS-300/400防空ミサイルシステムがタルトゥースに向けて移動されているのが確認されている。イランはイスラエル、ロシアはウクライナとそれぞれの戦争で疲弊しており、シリアを支援する余裕はない。

アサド大統領は首都決戦を計画しているのか、部隊を首都ダマスカスに集めているとされる。ダマスカスは古代都市と言われ、紀元前8000年から10000年もの昔から人が定住、世界最古の都市とも歴史ある都市。首都決戦となれば、ここが瓦礫と化す可能性がある。

ヨルダンとエジプトがアサド大統領に国外逃亡し、亡命政府を樹立するよう進言したと報じられているが、ヨルダン政府はこれを否定した。

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