ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、ロシア軍はウクライナ侵攻において世界的に禁止されている対人地雷を使用しています。
ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、ウクライナで戦っているロシア軍は、国の東部ハリコフ地域で使用しているとされ、国際機関は、3月28日にウクライナの不発弾処理技術者によって対人地雷が発見されたと述べました。使用しているのは「POM-3 (ПОМ-3)」またの名を”メダリオン”という確実に人だけを狙うスマート対人型地雷です。
人しか狙わないスマート地雷
「POM-3 (ПОМ-3)」は直径約6〜7 cm、高さ約20cmの金属製のシリンダーで、6枚の羽根で地上に垂直に配置、空中から散布して設置することができます。従来の感圧型や接触感知型の地雷とは異なり振動感知型の地雷になり、地雷内部にある電子機器が周辺の振動を検知。振動が人によるものか、動物か、自動車かなどメモリ内のデータと比較、その振動が人によるものと判断でき、かつ有効範囲にいることが分かると弾頭に信号が送られ起動します。起動すると弾頭は1~1.5mの高さに飛び出し起爆、1,850個の金属片を周囲にばら撒き、半径8〜13m範囲の人を殺傷、8m以内で防弾ベストを貫通します。
POM-3: pic.twitter.com/KeypsWA3Xb
— CAT-UXO (@CAT_UXO) March 29, 2022
地雷はリモートでアクティブ、非アクティブ化されることが可能で、自軍が通る際は非アクティブ化させます。振動を検知するため、近づいて解体することは難しいのと、定められた期間を迎えると自己破壊する機能も持っています。ただ、ウクライナの処理部隊が回収している点から、それらの機能は正常に機能していないと思われます。地雷自体の寿命は11年です。POM-3は全てロシア国内のパーツを使って製造されています。
ロシアは国際地雷禁止条約に加盟していない
1997年の国際地雷禁止条約では対人地雷の使用、生産、備蓄、移転を包括的に禁止し、164か国が加盟、ウクライナも加盟していますが、ロシアはこれに加盟しておらず、対人地雷の使用に関する制約がないのが実情です。
Source
https://www.hrw.org/news/2022/03/29/ukraine-russia-uses-banned-antipersonnel-landmines