イギリスメディアの報道によればウクライナ軍の情報士官からの情報として、今月、ウクライナ侵攻を始めてもうすぐ1年を迎えるにあたり、ドンバス地方でロシア軍が大規模な攻勢を計画、10日以内に作戦を開始すると伝えました。
ロシアは昨年2022年2月24日にウクライナへの侵攻を開始しました。当初、ロシアは数日でキーウを落とす計画で電撃戦を展開。ミサイルによる軍事拠点への先制攻撃、北、東、南の三方向から同時進攻、キーウ近郊に空挺部隊を送り込みました。しかし、ウクライナ軍の必死の抵抗、西側の支援もあり、戦線は徐々に押し返され、ロシア軍は春以降、敗退を繰り返し、現在、東部と南部で戦線は停滞しています。この状況を打破すべく、ロシア軍は東部のドンバスと南部のヘルソンで決着をつけようとしています。ウクライナ軍の情報によれば、軍事作戦のために既に1,800両の戦車、3,950台の装甲車両、2,700門の砲兵システム、810台のソビエト時代の多連装ロケットシステム、700機の航空機、内400機は攻撃・戦闘機、そして、300機のヘリコプターを集めているとされます。これが事実だとすれば、極東や対NATO用に展開している部隊の戦力をも投入していると考えられ、全国のロシア軍の現有戦力を掻き集めているのかもしれません。
兵員についてはウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相は、フランスメディアの最近のインタビューで、ロシアは今後数週間で30万人から50万人の兵士を戦闘に投入する準備をしていると語っています。実際、ロシアが追加で動員兵20万人を徴集することを計画しているとも報道されています。彼ら動員兵は装備も訓練も不十分な状態でソ連時代の戦い方と同様に人海戦術で戦線に投入されます。フォーブスの報道によれば、ロシア軍のこれまでの戦闘での死傷者は20万人、最大で27万人と見積もっています。つまり、初期作戦に動員された15万人は全滅。その後、徴集された動員兵30万人の内、15万が戦地に投入されましたが、彼らも半数が居なくなっている計算です。
ロシアとしてはウクライナに西側製戦車や戦闘車といった大規模な軍事支援が届く3月までに決着をつけたい、戦線を押し戻したいと考えているのかもしれません。
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