予備役の動員で国内が混乱する中、ロシア国防省は軍の立て直しを図るため、ロシア陸軍の兵站部門の最高司令官で国防副大臣でもあるブルガコフ大将を解任したと発表しました。兼ねてより兵站の問題を抱えているロシア軍において責任を背負わされたものと思われます。
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「ドミトリー・ブルガコフ大将は国防副大臣を解かれ 、後任にはミハイル・ミジンツェフ大将が就任する」と、ロシア国防省はテレグラムで発表しました。
67歳のブルガコフ大将は2008年から軍の兵站作戦を指揮しており、2015年にシリアに軍を派遣以降、戦地に展開するロシア軍への補給を維持する責任を負っており、2016年にはロシア連邦英雄の称号であるゴールドスターを授与されるなど兵站部門の責任者として成果を残してきました。しかし、2022年2月に始まったウクライナ侵攻においては兵站上の様々な問題が露呈。弾不足、燃料不足に食糧不足、通信機器なども満足に支給されず、兵站問題がロシア軍の進軍のアキレス腱になっているのは明らかでした。さらに今回の30万人の半分素人の兵士が動員されれば、現場が混乱し兵站が更に滞るのが目に見えています。
新しく国防副大臣に就くミハイル・ミジンツェフ大将は5月にマリウポリ包囲戦を指揮した司令官で、”マリウポリの肉屋”と呼ばれ、民間人の犠牲を厭わない残忍さで知られています。兵站任務の経験の有無はわかりませんが、トップの首を挿げ替えたからといって一朝一夕で兵站が改善できるほど、ロシア軍の兵站問題は軽いものではないでしょう。
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