ロシア連邦軍は、アメリカ主導の北大西洋条約機構NATOの脅威に対抗するために、年末までに西部軍管区に 20 の新しい部隊を編成する予定です。
ロシア国営メディアのTASS通信の報道によるとロシアのセルゲイ・ショイグ国防相・陸軍大将が月曜日の国防省の理事会でロシア西部に約20の新しい軍事ユニットを編成すると述べました。国防相は「西側の戦略的・軍事的脅威は増大し続けている。アメリカを中心とするNATO諸国は戦略航空機の飛行を強化しており、巡航ミサイル、演習の数を増やしている」と指摘。「NATOの行動は世界の安全保障システムを破壊しており、それに対応するための適切な措置を取らざるを得なくなっている。我々は部隊の戦闘構造を絶えず改善している。年末までに約20の軍事編成と部隊が西部軍管区に設置される。」と国防相は述べました。
NATOの最前線「西部軍管区」
ロシア連邦軍は西部、南部、中央、東部と大きく4つの軍管区に分かれており、サンクトペテルブルクに司令部を置く西部軍管区は首都モスクワを含み、欧州に接する最重要管区です。現在、ロシア国境と接する欧州のエストニア、ラトビアがNATOに加盟し、NATO軍が駐留しており、その他、フィンランド、ウクライナもNATOへの接近を強めており、ロシアは警戒しています。ロシアが2014年にウクライナからクリミアを併合したのも、親ロシア派の政権が倒れ、西側よりの政権になったためとされており、現在もウクライナ東部ではウクライナ政府と親ロシア派との間で紛争が続いており、ロシアは親ロシア派を支援しています。
現在、国境を接する欧州で親ロシアはベラルーシしかいません。旧ソ連圏の防波堤が無くなりつつあるロシアは西部管区の軍備を増強しています。最近では4月にウクライナ国境近くのロシアの南西部にロシア軍の地上部隊が大規模に増強され、新たな軍事行動の疑念が高まりました。軍はウクライナと西側の反発もあって撤退しましたが、4月に行った演習のあと一部をそこに残しました。国防相は約2,000の武器システムを西部管区に配備すると述べています。既に同地区のバルチック艦隊は戦闘訓練タスクの演習の強度を30%向上させ、さまざまな種類の兵器を含む 200 を超える演習が実行されました。この地区の航空機は、飛行時間が 4% 増加しています。