イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が建造中の無人機・ドローンが発着艦可能な航空母艦「シャヒド・バフマン・バゲリ(Shahid Bahman Bagheri)」の最新の画像がSNS上に拡散され、完成に近づいている事が分かった。
Iranian Navy drone/UAV carrier Shahid Bahman Bagheri under construction in Iran- converted from a container ship – posted August 20, 2024 #shahidbahmanbagheri
— WarshipCam (@WarshipCam) August 20, 2024
SRC: TW-@Navy_Iranian pic.twitter.com/h1leY5WxDr
8月21日にIRGCが建造中の無人機・ドローン空母シャヒド・バフマン・バゲリの最新画像がSNS上に拡散された。写真は8月20日に撮影されたものとされている。同艦は2023年2月にIRGCの海軍司令官アリレザ・タンシリ少将が建造を発表した艦になり、作年12月には港の埠頭に停泊する様子が映像でも確認されていた。見てわかるように既に進水しており、飛行甲板はほぼ完成しているように見える、艦橋、及び艦尾はまだ工事中だ。
Clear shot of the deck of the Shahid Bahman Bagheri's flight deck in its conversion from container ship to carrier.
— Aᴍɪʀ (@AmirIGM) December 25, 2023
Relatively narrow deck. Certainly intended for UAVs.pic.twitter.com/Lp1vrPKpzf
同艦は無人機・ドローンを搭載、運用するために開発された航空母艦になる。IRGCの発表によれば、同艦の全長は240m、飛行甲板の長さは全長180m、短い距離でも離陸できるようスキージャンプ式を採用している。ヘリコプター、ミサイル、無人機・ドローンを搭載し、航空母艦として約60機の無人機が運用できるよう建造されており、大型の固定翼無人機の離発着艦が可能と言われている。また、艦内には小型高速艇のアシュラ級戦闘艇約30隻が搭載される計画で、強襲揚陸艦に近い航空母艦になる。
同艦は完成すればイラン史初の航空母艦になるが、これは純粋な軍艦ではなく、コンテナ船を改造したものになる。もともとは2000年に韓国の現代重工業から納入された3,280 TEUのコンテナ船になり、その後、IRGCの管理下に移され、バンダル・アッバースの西にあるISOICO造船所で航空母艦として改修が始まった。通常、空母では航空機の離発着を妨げないよう艦橋部分を右舷側に寄せるが、ベースがコンテナ船になるため艦橋が艦後方の中央に位置するという歪な設計になっている。また、飛行甲板も艦中央に傾斜しており、このような設計のため、無人機の操作を間違えば着艦時に艦橋に接触する事故が起きるのでは危惧されている。
シャヒド・バフマン・バゲリがいつ就役を予定しているかといった情報はまだない。しかし、現在のイスラエルとの緊張度合いを考えると急ピッチに建造を進めているかもしれない。