スロバキアの新首相ロベルト・フィツォは26日木曜日、同国によるウクライナへの軍事援助を停止すると発表した。同国はウクライナへの軍事支援反対を表明するSMERが総選挙に勝利したことで10月1日以降、ウクライナの軍事支援を凍結していたが、今後、正式に停止される運びだ。
Newly appointed Slovak Prime Minister Robert Fico will not back further military aid to Ukraine nor support further sanctions against Russia at a European Union summit – Slovak media.
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) October 26, 2023
I think this decision is strategically wrong. Among other things, it can lead to Russian army… pic.twitter.com/AYvgRjeiyX
今月行われた総選挙で第一党となったロベルト・フィツォ率いる親ロシア派の左派ポピュリスト政党「スメル(道標)・社会民主主義」(SMER)は選挙時の公約で勝利すればウクライナへの軍事支援を停止、「弾丸一発も送らない」ことを公約に掲げていた。今回、それを公約通り、実行する形だ。また、同氏は自国に対する影響の分析結果が出ない限り、ロシアに対する制裁にも反対を表明している。自国に不利益になる制裁であればそれを支持しない趣旨を述べている。
SMERは第1党ではあるが得票率は23%と過半数に届かず、三党による連立政権を発足。一党はSMERから分離したHlas-SD、そして、もう一党は極右で親露派のSNS党であることからもロシアよりの政権が発足したことになる。
中欧の小国であるスロバキアのウクライナ支援の離脱は限定的であるという見立てだが、それでも同国はウクライナにS-300防空ミサイル、所有していたMig-29戦闘機も全機提供している。ただ、ポーランドと同様に提供できるソ連製兵器は出し尽くした感はある。また、フィツォ氏は商業的武器取引は否定していない。つまり、金を払えば武器は提供する。タダではやらないということだ。また、スロバキアは鉄道でウクライナと繋がっており、武器供給の中継地、その他、修理や兵站の拠点としての役割を継続するかには言及していない。人道支援については引き続き継続される。
ウクライナ、及び西側が恐れているのが周辺国への影響だ。各国では物価高への不満、支援疲れが国民の間で見られており、世論がスロバキアの選挙結果に影響を受ける事を恐れている。
Source
https://www.euronews.com/2023/10/26/slovakia-announces-the-end-of-military-aid-to-ukraine