南アフリカ軍は保有する8機のC-47輸送機の運用継続が難しくなったため、全機退役させ、81年間の歴史に幕を下ろす事を決定が決定的となった。
南アフリカ空軍(SAAF)は、保有する8機のダコタC-47TP輸送機全機を退役させる事が決定的となった。C-47輸送機は1943年に南アフリカ軍に配備され、これまで81年間に渡って運用されてきたが、2022年6月頃、スペアパーツが不足、入手が困難となった。SAAFはC-47のサポート、メンテナンスを行う会社を入札で募るも、この古い機体のサポートに手を上げる会社は一社もなかった。それから、C-47は2年間飛行することはなく、地上に駐機したままだった。SAAFは昨年、二度目の入札を行ったが、それでも手を上げる会社はなく、軍からの公式発表はまだだが、現地メディアでは、SAAFは退役を決断、81年間の運用に幕を下ろす事を決めたと報じられている。航空機の保守を担当する南アフリカの国営防衛会社アームスコールは、議会国防・退役軍人問題委員会(PCDMV)に提出した報告書の中で「ダコタC-47TPは非常に古い航空機であるため、南アフリカ、及び世界でもこの航空機に対するサポートは非常に限られています。航空機の老朽化により、OEM(相手先ブランド製造会社)によるサポートは終了。運用仕様書にダコタC-47TPを規定しているAMO(航空機整備組織)はありません。」と報告している。
南アフリカ軍のC-47
C-47は1930年代にダグラス社によって開発されたダグラスDC-3旅客機をベースに開発された軍用輸送機。第二次大戦中の1942年1月に量産が開始され、 1945年夏に生産が終了するまでに1万機以上が製造され、アメリカを始め、連合国に配備された。戦後に、それは拡大し、日本を始め、100か国に採用されり。南アフリカは1943年6月から1945年7月にかけて84機のC-47をレンドリースで受け取り、連合国の一員としてイタリアやバルカン半島での作戦に参加した。1994年には、これらのうち47機が運用を続けていることが確認されていた。90年代には12機を新しいターボプロップ エンジンに交換、胴体を延長して、最新の航空電子機器を搭載するなどしてC-47TPとして改修された。現状、残っているのはこのモデルになる。しかし、C-47関連のスペアパーツは60年前に生産を終了、運用継続が難しくなっていた。C-47はほとんどの国で退役しているが、記念機として数十機がまだ各国で運用されており、民間航空会社でも運用は続いている。