韓国空軍、北朝鮮の奇襲攻撃を懸念し、F-35Aを分散配備

USAF

韓国空軍は北朝鮮によるミサイルの先制攻撃を受けた際のリスクを分散させるため、現在、一カ所に配備されているF-35Aステルス戦闘機を全国の空軍基地に分散配備する事を計画している。

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韓国メディアの25日の報道によれば、韓国空軍は空軍の最も重要な戦略兵器である第5世代ステルス戦闘機F-35Aを北朝鮮の攻撃から護るため、F-35Aを分散配備する事を計画、初期作業に着手した。現在、韓国空軍は39機のF-35Aを保有。これらは全て、第17戦闘飛行団が駐屯する忠清北道清州市清原区にある清州空軍基地に配備されている。同基地は2027年からオーストラリア、日本に次いでアジアにおけるF-35の重整備拠点になる事も決定しており、韓国空軍の最重要拠点だ。もし、ここが北朝鮮のミサイル攻撃を受ければ、一気にF-35飛行隊が全滅する可能性がある。配備中のF-35Aを他の空軍基地にも振り分ける事で、そのリスクを分散させる事が計画の目的だ。韓国には9つの空軍基地があるとされるが、これら全てに分散されるのかは不明だ。韓国は2023年7月に約3兆7500億ウォンをかけて20機のF-35Aを追加購入する契約を締結、早ければ2026年初めにも最初のバッチが韓国に納入される予定で、これら追加分に関しては清州基地ではない他の基地に配備される予定だ。また、F-35Aは在韓米空軍も運用しており、これらは在韓米空軍が駐留する群山空軍基地に配備されており、整備効率などを考えると群山空軍基地に配備される可能性は高いと推測される。

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現在のF-35Aの拠点である清州空軍基地は韓国の中間地点に位置し、北朝鮮国境から200kmほど離れた位置にある。北朝鮮は過去に「敵の作戦飛行場打撃」を模擬した集中火力打撃訓練を実施。昨年2月には北朝鮮は平安南道粛川で短距離弾道ミサイル(SRBM)の発射演習を行い、337km飛行した事を報告した。粛川から清州までの距離は340kmになり、清州空軍基地への攻撃を想定した演習として、韓国軍は警戒していた。

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有事の際は空軍基地、空港へ先制攻撃

現代戦において最も重要なのが制空権の掌握、航空優位性を取る事だ。実際、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻の際、ロシアは最初にウクライナ各地の空軍基地及び空港に対し、ミサイルによる先制攻撃を行い、ウクライナ空軍の航空戦力に大きなダメージを与えた。1967年の第三次中東戦争ではイスラエルは開戦と共にエジプトの空軍基地を先制攻撃。エジプト空軍を無力化し、制空権を完全に掌握。空からエジプト軍の地上部隊を蹴散らし、僅か6日で勝利した。北朝鮮は空軍力においては韓国に対し圧倒的に劣っており、普通にやりあっては航空優位性を取る事は不可能であり、地上部隊は空から蹂躙される事になる。もし、北朝鮮がしかけるなら、最初に韓国空軍及び、在韓米空軍が駐留する基地に対して、ミサイルによる先制攻撃を行い、韓国の航空戦力を無効化させるだろう。

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日本のF-35基地は二カ所

日本もF-35を保有しているわけだが、現在の拠点は青森県の三沢基地と宮崎県の新田原基地の二カ所になるが機種は分かれている。三沢基地は通常型のF-35Aの拠点で、新田原基地は短距離離陸・垂直着陸型のF-35Bの拠点だ。現在、空自には36機のF-35Aが納入されているが、合計110機をオーダーしており、納入数と合わせ、配備拠点は増えると思われる。三沢には米空軍も駐留しており、アメリカは2026年から、配備中のF-16を48機のF-35Aに置き換える予定だ。新田原基地には今年度中に6機のF-35Bが配備される予定で、最終的には42機の調達を予定している。F-35Bはいずも型護衛艦に搭載される予定で「いずも」と「かが」は軽空母化改修を行い、運用テストを行っており、米軍機での発着艦は成功させている。2027、2028両年度までに空母化改修を完了させる予定だ。

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韓国空軍、北朝鮮の奇襲攻撃を懸念し、F-35Aを分散配備
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