韓国国防部はレーダーで視認しずらい段ボール製ドローンの導入を決定した事を発表。来年初めまでに100機余りが納品され、ドローン作戦司令部に配備される。
韓国メディアの報道によれば、韓国国防部は3日火曜、段ボール製のドローン100機の購入契約を今年末までに契約する計画である事を明かした。これらは2025年初めに納入される予定でドローン作戦司令部に配備される。国防部広報は定例会見で「ドローンが現代戦の面でゲームチェンジャーとして登場したのは周知の事実であるため、必要な部分に対する補完のため」と明らかにした。軍は段ボールドローンをまず偵察用に運用し、その後、自爆用途にも導入または開発する方案を検討する方針だと伝えた。ドローンの調達先、スペックなどは明かされていない。北朝鮮が先月開催した装備展示会「国防発展-2024」で段ボールドローンと推定される機体を展示しており、それに対抗する狙いもあるとされる。
段ボール製のメリットは安価な事である。文字通り、翼や胴体といったボディは段ボールできている。また、組み立ても容易で売られている工作キットのように一般的な工具とテープ、接着剤を使って組み立てができ、翼といった主要部分はゴムで固定される。組み立て前であれば、場所もとらず、持ち運びも用意だ。そして、軍事的面での最大のメリットがレーダーで映りにくい点だ。段ボールは反射率が低いので通常のレーダーでは捉えづらく、ステルス無人機として運用できる。
ウクライナ軍が既に実戦で運用
段ボールドローンは既にウクライナ軍が実戦導入している。ウクライナ軍が使用するのはオーストラリアを拠点するシステムエンジニアリング企業SYPAQ Systems社によって開発製造された「コルボPPDS」だ。最大飛距離120km、行動半径60km、自律飛行が可能でGPS誘導はもちろん、GPS妨害を受けても飛行できるよう、飛行用ソフトウェアが搭載されており、速度と方向からおおよその飛行位置を特定して飛行する。操作は誰でも分かりやすいようAndorid端末を使ったインターフェイスを採用。価格は1機あたり3000ドルになる。