ポーランドで欧州二基目の陸上配備型イージスアショアの運用が開始

ポーランドで欧州二基目の陸上配備型イージスアショアの運用が開始

ポーランドに建設されていた弾道ミサイル防衛システム「陸上配備型イージスアショア」が長年の建設遅れの末、ようやく運用が始まる。

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ポーランドに建設されていた欧州二基目の米軍弾道ミサイル防衛システム「陸上配備型イージスアショア」が12月15日から運用開始されると、ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相が発表した。「アメリカ側は、数日後の12月15日に、レディコボのミサイル防衛システムが作戦能力に達するだろうと我々に知らせてきたところだ」とモラヴィエツキ首相は語った。場所はロシアの飛び地カリーニングラードから250km離れたポーランド北部のレディコボになり、ロシアやイランといった敵対勢力の弾道ミサイルからヨーロッパを護るために建設された。

この施設は2009年から建造が始まったが、安全保障環境の変化によってプロジェクトが遅延していた。その後、元の設計に加え、最先端の統合電子セキュリティシステムをアップグレードして、2022年6月に完成。2023年9月に作戦能力を達成、10月からは運用を担う米海軍に引き渡されていた。海軍は2024年5月までにイージス・アショアに追加の改修を施し、2024年7月にNATOに運用を移管し、ユーロ圏外から飛来する弾道ミサイルの脅威に対するNATO欧州諸国の防衛におけるイージス・アショア・ポーランドの指揮統制を行う予定である。2016年にはルーマニアのデベセル空軍基地で欧州最初のイージス・アショアが稼働しており、今後は二基体制になる。

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イージス・アショアとは

イージス艦に搭載されているイージス弾道ミサイル防衛システムの陸上配備型で大気圏外の宇宙空間を飛翔する弾道ミサイルを地上から迎撃する能力を有している。指揮通信システム、AN/SPY-1レーダー、VLS Mk41垂直発射システム、24発のSM-3対弾道ミサイルで構成されている。大気圏外のミサイルを迎撃することを目的にしたSM‐3は向かってくるミサイルをミッドコースフェイズ(中間軌道)およびターミナルフェイズ(終末軌道)に入る段階で迎撃する。最大射程高度は500kmと国際宇宙ステーションなどがある衛星軌道上のミサイルを迎撃できる。これまでのテストでは大気圏外での迎撃に30回以上成功しており、アメリカ側の発表では命中精度は80%を超える。最新モデルは日米で共同開発したSM-3ブロックIIAになり、弾頭の大型化、射程、探知、識別、補足、追尾などの性能が向上している。イージス・アショアは日本でも2018年7月に導入を決定、2025年に秋田での運用を予定していたが、2020年6月、当時の河野太郎防衛相が導入を停止している。

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Source

Aegis Missile Defense Site In Poland To Finally Go Operational (thedrive.com)

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