Photo by us navy世界有数の特殊部隊である米海軍ネイビーシールズ（Navy Seals）。彼らの活躍は有名ですが、主戦場である外洋、沿岸、および河川環境への動員、迅速に移動し任務を完遂するには広範な兵站準備が必要です。そんなシールズの活躍に欠かせない部隊がいます。それが米海軍特殊作戦艇戦闘員（SWCC）と彼らで組まれた特殊艇チーム（SBT）です。SWCCは特殊作戦任務を支援し、主にシールチームと共に活動するため特殊作戦艇を使い世界中の水上に展開する能力を持った特殊部隊です。
特殊部隊用のボート部隊
特殊作戦艇戦闘員（Special Warfare Combatant Craft Crew ：SWCC）と特殊艇チーム（Special Boat Team）は最新鋭の特殊水上ボートを運用し、特殊作戦任務に関連した高度な兵器システム、通信、電子機器を使い、沿岸や河川における警備や情報収集、敵の海運や補給線を遮断、または直接攻撃することが任務です。特殊作戦任務に焦点をあてて任務に就くことが多く、SWCCは海上、水上においてシールズやその他の特殊部隊の支援を行います。彼らが使用する特殊作戦艇は中大型船が運航できない浅瀬の海域や河川での迅速な移動が可能で水上から特殊部隊を輸送、回収、時には火力支援行います。特に同じ海軍に所属し、水上、海中任務が多いシールズと組むことが多く、「SEALSタクシーサービス」とも呼ばれています。
シールズにも劣らない隊員の能力
SWCCはシールズ希望者と同じ地獄の選抜試験と訓練を完了する必要があり、その能力は高いとされます。その後は戦闘に特化するシールズとは違う訓練になりますが、体力、精神力はシールズと同等です。戦闘、水上、水中におけるスキルはもちろん、パラシュート降下（空挺）のスキルも持ち合わせています。
また、特殊部隊の輸送任務が多いという性質上、応急処置や生命維持のメディックスキルに長けており、負傷者を回収してから処置可能な場所に運搬するまでの命を繋ぎとめるための訓練を受けています。SWCCの隊員全員が戦闘応急処置、一次救命処置、気道管理と酸素投与、外傷治療、限定的な救急薬の投与についてトレーニングを受けており、衛生兵と同等の能力を有しています。
特殊作戦艇SOC-R
Photo by us navySOC-RはSWCCが主に使用する最高速度74km/hの高速ボートです。船首はV字の形に傾斜が付いており、これにより水の抵抗を少なくし、水面を滑るように滑走航行し、高速と細かい旋回能力を実現しています。スクリューではなくウォータージェットを使う事で水草が絡んだり、岩に当たって動力を失うという心配もありません。乗員数は12名で、シールズを乗せる際は4人のSWCC（1人の操舵手、3人の砲手）と8人のシールズ隊員が基本です。
水上であればどこでも展開可能
この舟の大きな特徴が空中からボートを投入できる点です。C-130やC-17といった大型輸送機に搭載でき、空中からパラシュート降下で着水させます。この際、隊員はボートを投下後にパラシュートで降下し、着水して水上でボートを展開します。またCH-47チヌークといった大型ヘリではロープスリングで運搬します。これにより内陸の湖や池にも運搬でき、水上であれば場所を選ばずに作戦遂行できるなど高い展開能力を有する舟です。
強力な武装
SOC-Rには5つの銃座がついており、2挺のGAU-17ミニガン、1挺のM2ブローニング重機関銃、2挺のM240軽機関銃が搭載され、360度に対し火力を浴びせることができ、圧倒的な連射力で対岸の敵を制圧。隊員の上陸、又は回収を手助けします。
https://www.sealswcc.com/navy-seal-swcc-who-we-are-main.html
