中立国であるスイスはウクライナにゲパルト対空自走砲用の弾薬を送ると言うドイツの要請を再度拒否しました。
German air-defense systems Gepard are excellent. Could be the game-changer in Ukraine’s fight against Iranian drones. Wish we had more of them. #AirDefenseForUkraine #AirDefenceForUkraine #StandWithUkraine pic.twitter.com/Q9bABWctCF
— olexander scherba🇺🇦 (@olex_scherba) November 3, 2022
ドイツは10月末、スイスに対し、ウクライナに供給されたゲパルト対空自走砲用の35mm砲弾、12,400発の譲渡を許可するよう要請しました。ドイツが保有するこの弾薬はスイスの軍需企業エリコン社製が製造したスイス製です。そのため、これを第三国に提供する際はスイスの承認が必要になります。
ドイツの要請に対し、スイスのガイ・パルメリン経済相は11月3日、ドイツ国防相クリスティーン・ランブレヒトに宛てた書簡で「自国の中立という原則に立ち、スイス製軍需品をウクライナに送るというドイツの要求に答える理由はない」と説明しました。スイスの永世中立国という立場から紛争の当事者であるウクライナに軍事物資は提供できないということです。実はこの要求は二度目です。ドイツがウクライナにゲパルトの提供を決めた際もスイスに弾薬の提供を依頼していましたが、同様に断られています。ゲパルトはブラジル、ヨルダンなども保有しており、これらの国から弾薬を手にいれることも画策しましたが、これらもスイス製のため、断念しています。
そこで、Nammoといった弾薬製造企業を抱えるノルウェーがゲパルト用の35mm弾薬の新規製造に手を上げます。7月末に最初のゲパルトをウクライナに納入した際、ノルウェー製の弾薬も合わせて提供されましたが、ゲパルトの規格に合わず、発射されないと問題が発生、改良に追われています。
German Gepard in Ukrainian services clearing the skies from Russian UAVs. #Ukraine pic.twitter.com/NagqoW5V8G
— (((Tendar))) (@Tendar) October 28, 2022
ドイツは9月までに30両のゲパルト対空自走砲と6万発の弾薬をウクライナに提供しました。しかし、分間550発の35mm砲2門を持つゲパルトにとって6万発は不十分です。且つ、ロシアによる自爆ドローンの攻撃が増える中、対ドローンに有効なゲパルトの弾薬の消費は激しくなっています。このままのペースでは弾が枯渇し、ドローンの攻撃を許してしまいます。
スイスは3日、ウクライナに1億ドルの支援を表明、飲料水の提供、ロシアによって破壊されたエネルギーインフラを修復することに同意しましたが、スイスの支援は人道支援に限られています。
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