台湾、米国から1000機以上の自爆ドローン・無人機を購入!中国本土攻撃可能なドローンも

台湾、米国から1000機以上の自爆ドローン・無人機を購入。中国本土攻撃可能なドローンも含まれる

アメリカ国防安全保障協力局(DSCA)は18日火曜、台湾に「Switchblade300」自爆ドローンと「ALTIUS 600M-V」の2つの自爆ドローンシステム、計1000機以上、推定総費用3億6,020万ドル規模の対外有償軍事援助販売を承認する決定を下した事を発表した。

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これらは台北駐米経済文化代表処 (TECRO)の要請に基づくもので、内訳は「Switchblade 300」自爆ドローンが720機になり、付随して101基のSB300射撃制御システム (FCS)、スペアパック、オペレーターマニュアル、トレーニング、技術支援、およびその他の関連するロジスティクス、メンテナンス、プログラムサポートが含まれる。

「ALTIUS-600 M-V」自爆ドローンは291機になり、訓練用UAV、空圧統合発射システム (PILS)、PILS輸送トレーラー、地上制御システム、関連する予備部品、訓練、マニュアル、その他の技術、エンジニアリング、兵站、プログラム支援が含まれる。納入時期は明かされていないが、納入を早めるため、ドローン部品の生産の一部を台湾に移管するとの話も上がっている。両ドローンはウクライナにも供与されており、世界的に需要が高まっている。

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Switchblade 300

ウクライナで評価を上げた自爆ドローンSwitchbladeが売上を拡大中
🄫AeroVironment

Switchblade 300は2012年にアフガニスタンに展開する米軍部隊で初めて配備され、ロシアと戦うウクライナにも供与されている実戦での実績がある自爆ドローンだ。重量は2.5kgと軽量で歩兵が携行できる重さで、筒上のランチャーから発射、発射場所は選ばず、どこからでも僅か2分間で展開できる。飛行範囲は10kmで最高速度は157km/h、飛行時間は最大15分。遠隔操作の他に自律飛行も可能で カメラとGPSによって標的を追跡、衝突コースを事前にプログラムすることもできる。弾頭は40mmグレネードになり、人的対象及び軽装甲車両を破壊する威力がある。しかし、一度発射すると再利用することはできない。飛距離範囲を考えると、台湾本土、島内戦闘での使用を前提した自爆ドローンになる。

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米軍特殊部隊が採用する自爆ドローンSwitchblade(スイッチブレード)
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Altius-600M-V

ウクライナが受領した飛距離440kmの自爆ドローンAltius-600M
©Anduril Industries

ALTIUS-600は電気光学/赤外線(EO/IR)カメラを備えた諜報、監視、偵察 といったISR活動、電子戦を目的に設計された小型の無人航空機システム (UAS) だが、今回、台湾が購入する「M-V」モデルの”M”は”Munition(弾薬)”を意味し、ペイロード最大3kgの機体には高性能爆薬または成形炸薬弾頭を取り付け、自爆ドローンとして使用する事ができる。これもウクライナに供与されており、実戦での実績あるドローンだ。全長は1m、翼幅は2.54m、総重量は12.25kg。発射は専用のチューブ発射管から、空気圧によって空中に射出される。この発射システムはマルチプラットフォームに対応しており、地上、車両、船舶、そして、空中のヘリや航空機からも射出が可能だ。機体の巡航速度は60km/h、最大速度は90km/hと早くはないが、航続距離は440kmと長く、最大4 時間の飛行が可能。これは台湾全土をカバーするだけではなく、台湾海峡を横断するには十分な飛距離で、台湾本土から中国本土沿岸部の軍事施設を偵察、攻撃する事が可能だ。台湾海峡は最も狭い箇所で130kmしかない。

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ウクライナが受領した飛距離440kmの自爆ドローンAltius-600M

Switchblade 300はドローンの操縦に手慣れたものなら習得は早いが、Altius-600M-Vはある程度、専門的な訓練が必要になる。台湾はロシア・ウクライナ戦争でのドローンの効果を顧み、本土及び、島嶼防衛のため、自爆ドローンの配備を進めており、国産自爆ドローンの開発にも力を入れている。

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台湾、米国から1000機以上の自爆ドローン・無人機を購入。中国本土攻撃可能なドローンも含まれる
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