Photo by AAGタイ国防省は、地元企業NARAC ARMS INDUSTRY（NRC Ammunition）が製造した、国産のNARAC556アサルトライフルを購入した。国防省のコードでは20インチバレルのMOD963と14.5インチのMOD963 ARとして配備される。
NARAC556はM4やHK416で使われているAR-15システムに基づいて設計されたNATO標準の5.56mm口径のアサルトライフル。バレル長は20インチと14.5インチの２つのモデルが採用され、軍内ではそれぞれMOD963およびMOD963ARと呼ばれる。20インチは400メートル、14.5インチは250メートルの有効射程を有する。伸縮式のストックにピカティニーレール、マガジンリリースボタンやセレクターは左右どちらかで操作できるアンビシステムを装備している。
NARAC556はタイ王国軍の一連のテストに合格し、6,000発以上発射しても性能に問題はなく、耐久性、タイの熱帯気候に対応する対候性などタイ国防省の要件に準拠していることを証明した。設計のベースとなったM16と比較すると重量は2.9kg（M16は3.5kg）と軽量化しながらも低反動で正確さも保持。タイに工業製品のイメージは無いがNARAC Arms Industryは、NARAC556アサルトライフルのコンポーネントの80％が自社で製造されていると述べている。
NARAC556は治安大隊、憲兵隊、およびタイ王国軍最高司令部（RTARFHQ）に配備される。軍の主要部隊はタボールTAR-21、M16の両アサルトライフルを使用しており、これを置き換える予定は今のところない。そのため、調達数は発表されていないが数は少ないと推測されている。しかし、NARAC556はタイの防衛産業を支援するための新しい取り組みの1つであり、実績次第では今後、軍の主力部隊でも採用は広がるかもしれない。
