ロシア海軍、拿捕したウクライナ海軍のGyurza-M級小型砲兵装甲艇を黒海艦隊に編入

ロシア海軍、拿捕したウクライナ海軍の小型砲兵装甲艇を黒海艦隊に編入
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ロシア海軍はウクライナ海軍の小型砲兵装甲艇「Project 58155 Gyurza-M Class」の1番艦”アッカーマン”を黒海艦隊に編入したウクライナメディアが報じました。この船は3月にベルジャーンシク港でロシア軍に拿捕されたものです。同形艦は他に3隻が拿捕されており、他の船も同じ運命が予想されます。

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外洋から新しい船を追加配備することが難しい筈のロシア海軍ですが、7月に黒海艦隊に新しい船を追加しました。それは侵攻中にウクライナ海軍から拿捕した小型砲兵装甲艇「Project 58155 Gyurza-M」の1番艦”アッカーマン”になります。この船はウクライナ南部のベルジャーンシク港に配備されていました。しかし、ベルジャーンシクはロシアによる侵攻が始まって直ぐの2月28日にロシア軍の手に落ち、同港に停泊していた1番艦のアッカーマンと6番艦の”ヴィシュホロド”はロシア軍に拿捕されてしまいます。その後、2隻は黒海艦隊の司令部があるクリミア半島のセヴァストポリに運ばれます。この船はウクライナ軍の完全オリジナルになり、船の解析と黒海艦隊に編入して運用するためのテストが行われていたものと思われます。

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Gyurza-M級小型砲兵装甲艇

Project 58155 Gyurza-M級は2012年にウクライナのKuznia na Rybalskomu 造船会社によって2012年に建造が始まった小型砲兵装甲艇です。主に母港から80km以内の沿岸海域や河川をパトロールすることを目的に設計されました。2016年に最初の2隻がウクライナ海軍に就役。計20隻が建造される予定で内8隻がロシア侵攻前にウクライナ海軍に就役していました。全長23m、排水量54トンの小型艇になり、最高速度46km/h、航続距離1448km。武装は艦首と艦尾に計2門の近接複合武装システム”Katran-M CIWS”を搭載。同武装には30mm機関銃、バリア地対地ミサイル、30mmグレネードランチャー、7.62mm機銃、煙幕弾が搭載。リモート操作のスタンドアローン兵器で独自の電気光学センサー、安定化システム、射撃制御システムを搭載、最大5km先の標的を攻撃します。

2018年、2隻のGyurza-M級がマリウポリに向かう途中、ケルチ海峡でロシア海軍に兵員もろとも拿捕される事件が発生。その際、船員3名が負傷しています。船は1年後にウクライナ軍に変換されますが、ダウングレードされた形で返却されました。

今回のロシア侵攻に際してはベルジャーンシクで2隻、マリウポリで2隻の計4隻のGyurza-M級がロシア軍に拿捕されています。3隻はほぼ無傷で、1隻は沈没したものをロシア軍が引き揚げ回収しています。今回、アッカーマンが黒海艦隊に編入されたことから、残りの無傷の2隻も同様に編入される可能性は高いと思われます。

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Source

https://mil.in.ua/en/news/the-russians-added-ukrainian-ackerman-submarine-to-russian-black-sea-fleet/

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ロシア海軍、拿捕したウクライナ海軍のGyurza-M級小型砲兵装甲艇を黒海艦隊に編入
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