ロシアが使うイラン製自爆ドローン「Shahed 136」とは

ロシアはクリミア大橋の爆破以降、最前線から遠いキーウやオデーサといった都市への攻撃を激化させている。その方法はこれまで同様、巡航ミサイルといった長距離攻撃だが、最近多くなっているのが、イランから提供されという自爆ドローン「Shahed 136」による攻撃だ。17日だけでも首都キーウに28機が襲来した。”カミカゼドローン”とも呼ばれる「Shahed 136」はどういった兵器なのだろう。

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弾頭を搭載して、そのまま標的に突っ込む自爆ドローン、徘徊型兵器やカミカゼドローンとも呼ばれる兵器はミサイルに代わる安価な精密誘導兵器として各国で開発、配備が進んでいる。その中でも先行しているのが中東のイランだ。イランは1980年代からAbabilシリーズを始め、数々のドローンを製造、レバノン、シリアやイエメンといった中東での紛争で利用してきており、実戦経験、多くの実戦データを積んできた。

そんなイランで開発された最新の自爆ドローンの一つが「Shahed 136(露:Geran-2)」で、2021年12月に初めて公になった兵器だ。2020年にイエメン内戦で使用されていた情報もあり、実際はそれよりも前からイランには配備されていたとされる。国産兵器になり、Ababilシリーズの製造も行っている国内メーカーのIranian Aircraft Industrial Company (HESA) によって開発製造されている。

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スペック

ドローンの全長は3.5m、重量は200kgで、弾頭重量は40kg。自爆ドローンとしては割と大型になる。デルタ翼を採用した翼と胴体一体型の設計で、翼より先の機首は弾頭と誘導に必要な機器が納めらている。2枚羽のプロペラ翼で飛行するが、離陸時は専用のランチャーとロケットアシストにて加速させる必要がある。最高速度は185km、航続距離は定かではないが最大2000~2500km、少なくとも1000kmとされており、ロシア領内からキーウ、クリミアからオデーサを狙うには十分な航続距離を有している。飛行高度は60~4,000m。エンジンは民生品で中国製のMado MD550を搭載。騒音が激しいため、数キロ先から接近が分かる。一般的なドローン同様、GPSなどの座標をもとに自律飛行が可能。遠隔操作の性能は不明だが、イラン製ということもあり、おそらく衛星通信は搭載していないので、数百km先のドローンを操作することは不可能と思われ、ウクライナを攻撃したドローンは完全にGPS誘導によるものだろう。

価格は2万ドル

Shahed 136の1機あたりの価格は2万ドルとミサイル比べれば安価だが、イラン製の自爆ドローンとしてはちょっと割高だ。性能が不明な点が多いので一概に比較はできないが、アメリカの自爆ドローン「Switchblade 600」は対戦車兵器としての威力もあって、値段は1万ドル~。Shahed 136は他の自爆ドローンと比べて高性能、高精度でもない。ロシアはこれを2400台注文したとされている。

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ロシアが使うイラン製自爆ドローン「Shahed 136」とは
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