トルコ軍は7月末に国産の短距離対空ミサイル「Sungur」の最初のバッチを受け取りました。Sungurは車両搭載型、携行式対空ミサイル（MANPADS）として使用でき、スペック上は最強のMANPADSになります。
スティンガーを超えるMANPADS
Sungurはトルコの軍需企業Roketsan（ロケットサン）が開発した短距離対空ミサイルになります。ロケットやミサイルの開発を得意とする同社はアメリカのレイセオン社からライセンスを供与を受けて、長らくMANPADSのFIM-92 スティンガーを生産してきました。Sungurはそのスティンガーの生産経験で得た知識やノウハウをもとに開発された第4世代のMANPADSで、性能は1970年代に開発されたスティンガーを凌ぎます。現在、トルコ軍に配備されているスティンガーは順次、Sungurに置き換わる予定です。
スペック
スティンガーの最大射程は4.8km、最大高度範囲は3kmになります。それに対し、Sungurの最大射程は8km、最大高度範囲は4kmと広く、同じ西側のMBDA社製のMISTRAL（ミストラル）の7.5km、3kmをも凌ぎ、現在、流通しているMANPADSを比べても射程範囲は最大です。最小射程は500mです。重量は15kgとスティンガーの15.2kgさほど変わりませんがミストラルの19.7kgよりも軽量と携行、取り回しに優れます。
誘導方式にはイメージング赤外線シーカー (IIR) を搭載。新しい短距離対空ミサイルにはほぼ、この誘導方式が採用されており、赤外線で標的画像を生成するため、フレアといったおとりに騙されずらくなっており、撃墜成功率を上げ、昼夜関係なく高い精度を維持します。
弾頭にはプログラム可能な衝撃信管、高爆発性の半装甲貫通弾を搭載しています。SungurはMANPADSの他に車両搭載モデルも開発されています。
Source
https://www.roketsan.com.tr/en/products/sungur-air-defence-missile-system
