世界でも最も運用されている戦闘攻撃機Top10

世界でも最も運用されている戦闘攻撃機Top10

航空および航空宇宙産業のニュースを提供するFlightGlobalが先日、「World Air Forces 2022」というレポートを発表しました。そこでは世界中の軍隊で運用されている軍用機の数が報告されており、そのデーターをもとに現在(2021年)、世界で運用機体数が最も多い戦闘機・攻撃機のTop10を紹介します。

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10位 F-5

相次ぐF-5戦闘機の事故、イラン空軍のF-5Fが地上で射出座席が誤作動し、操縦士2名が死亡
Photo IRIAF

アメリカのノースロップ社が1950年代に開発、1960年代初めに運用が始まった音速の第3世代軽戦術戦闘機です。小型で軽量、初期モデルのF-5A/Bフリーダムファイターはレーダーを搭載しないなど高度な電子機器を排除した安価でシンプルな設計により、整備や訓練も容易ということもあり、時は冷戦期、アメリカの同盟国や西側の国の中でも資金力に乏しい途上国に多くの機体が輸出され、韓国や台湾など複数国でライセンス生産されました。1974年にはレーダーを搭載した改良型のF-5E/FタイガーⅡが登場します。多くの国では既に退役していますが、台湾、スイス空軍などではまだ現役です。かつてアメリカの友好国であったイランでは独自の改修を行い後継機まで開発しています。また、米軍でも訓練機、敵機役として数十機の機体を保有しており、世界で412機が運用されています。

9位 J-7

J-7

1万機以上が生産されベストセラーとなったソ連の戦闘機Mig-21のライセンス提供を受けて中国によって1960年代に開発された第3世代戦闘機。しかし、途中で中ソ対立があったため、ソ連からの協力が得られなくなり、リバース・エンジニアリングのもとコピー、開発が行われました。そのため、本家のMig-21よりは性能は劣るも価格が安く、1975年にMig-21のソ連での生産が終了したあとも改良が続けられ、21世紀まで生産され続けたこともあり、北朝鮮、中東、アフリカなどに数多く輸出され、これらの国では今なお現役です。中国人民解放軍でも一部で現役であり、一部は無人機化し、標的機、ドローンとして活用しているとされ、445機が運用されています。

8位 F-35

F-35

アメリカのロッキード・マーティン社によって2000年代に開発、2015年から運用が始まった最新の第5世代ステルス多用途戦闘機。最新のステルス機能、レーダー、アビオニクスを搭載、豊富な兵装に基本型のA型、垂直/短距離離着陸機のB型、艦載機のC型と様々なミッションに対応できます。開発の段階で8か国が関わっており、NATO、日本をはじめ米国の同盟国はほぼ採用、配備しています。その他、フィンランドが採用を決定、タイも検討するなど同盟国以外にも採用が広がっています。現在の運用数は445機ですが、米空軍だけでも、1,763機の配備を計画しており、現在年間130~150機のペースで生産。最終的には5000機の製造が予測されおり、数年以内には運用数トップに踊りでるでしょう。

タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.91 アメリカ海兵隊 ロッキード マーチン F-35B ライトニングII プラモデル 60791

7位 Su-25

Ministry of Defence of the Russian Federation

ソ連時代の1970年代にロシアのスホイ設計局に開発され、1981年から運用が始まった攻撃機。アメリカのA-10攻撃機と双璧をなす地上攻撃になり、1980年代のアフガニスタン侵攻から現在のシリア紛争まで数々の戦場で活躍してきました。A-10が米空軍でしか運用されていないの対し、Su-25は海外にも輸出されており、安価で頑丈、整備効率もよく強固な装甲と最大4.4トンの爆弾やミサイル搭載できる攻撃力と未だ需要が多い機体です。シリア紛争の地上攻撃、黒海でのNATOへの牽制、2021年には日本海で初めてSu-25が確認されるなどロシア軍においてはまだまだ前線機であり、旧ソ連、アフリカといった国で運用され、現在、474機が運用されています。

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6位 ユーロファイター タイフーン  

英空軍はフォークランド紛争以来40年ぶりに空対空戦を行いました
Photo RAF

イギリス、ドイツ、スペイン、イタリアの4か国の共同開発になり、コングマリットのユーロファイター社によって1980~90年代にかけて開発、2003年から運用が始まった第4世代多用途戦闘機です。機動性が高く、対空戦闘力はF-22に次ぐ性能を持っているとされ、さらにレーダー断面積が小さく、ステルス機に近い特性を持つこともあり、4.5世代戦闘機とも言われています。主な運用国は開発国の4か国ですが、中東の湾岸諸国に積極的に営業をかけており、サウジアラビアが70機ほどを所有。その他、クウェート、オマーン、カタールが導入しており、現在。512機が運用されています。

ハセガワ 1/72 イギリス空軍 ユーロファイタータイフーン 単座型 プラモデル E40

5位 Mig-29

ポーランド空軍のMig-29が誤って味方のMig-29に発砲
Photo Wojsko Polskie

ソ連時代の1970年代にミグ設計局によって開発され、1983年に運用が始まったロシアの第4世代制空戦闘機。前線での制空権確保を目的に開発された機体でツインエンジンによる高い機動性を有しています。とはいえ、戦績は著しくなく1991年の湾岸戦争では5機が、1998~99年のコソボ紛争では6機が米軍、NATOの戦闘機に撃墜され、1999年のエルトリア紛争ではSu-27によって複数機が撃墜されています。しかし、ロシア軍では未だ300機以上を抱える主力戦闘機であり、旧ソ連や東欧、中東では数多くが運用され、改良を重ね未だ生産が続いています。現在、882機が運用されています。

タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.04 ロシア空軍 ミコヤン Mig-29 ファルクラム プラモデル 60704

4位 F/A-18(F-18) 

F/A-18
US Marine

1970年代にマクドネル・ダグラス社(現ボーイング)によって開発され、1983年に運用が始まった戦闘攻撃機、ホーネットという愛称で親しまれています。LWF(軽量戦闘機)計画のもと開発され、F-16との競争に敗れるも戦闘・攻撃機双方に使用でき、一基停止しても飛行可能なツインエンジンを採用する機体は海上運用に適しているとして米海軍、米海兵隊の空母艦載機として採用されます。米海軍・海兵隊はすでに初期モデルは退役していますが、改良型の F/A-18E/Fスーパーホーネットが運用されています。現在、世界で893機が運用されていますが、初期モデルはオーストラリア空軍が全機退役。フィンランド空軍はF/A-18に代わる機体としてF-35を注文するなど、今後、運用数は減らすことになります。

タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.02 アメリカ海軍 マクダネル・ダグラス F/A-18 ホーネット プラモデル 60702

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3位 F-15 

高価なF-15戦闘機で安価な自爆ドローンを撃墜。費用対効果は最悪です
Saudi Air Force

アメリカのマクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)によって1960年代に開発、1976年に運用が始まった第4世代制空戦闘機。高速・高機動、ツインエンジンの大型戦闘機で、マッハ2を超える高機動。古い機体ながら改良によって高性能レーダー、アビオニクス、長距離空対空ミサイルなど最新の兵器が搭載可能であり、半世紀近く経た今でも多くの国で前線をはる機体であり、撃墜されたことがないとしても有名です。現在963機が運用されていますが、2021年には最新のF-15EXが登場、約200機を保有する航空自衛隊も2021年にボーイング社と近代化改修の契約を締結するなど、今後も同程度の機体が維持されると思われます。

タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.29 アメリカ空軍 マクダネル ダグラス F-15C イーグル プラモデル 61029

2位 Su-27/30

Su-27 Su-30

ソ連時代の1970年代にスホイ設計局によって開発され、1985年に運用が始まったロシアの第4世代制空戦闘機。Su-27は単座型の制空戦闘機で、Su-30は改良型の複座式の多用途戦闘機になります。 F-15に対抗する形で開発された戦闘機で高速、長距離飛行、高い格闘戦能力を有しましたが初期モデルはレーダー、アビオニクスといった電子面で劣っていましたが、その後、幾度も改良が重ねられ、艦載機型のSu-33、戦闘爆撃機のSu-34といった多くの派生型も登場、その能力はF-15に引けを取りません。インドや中国でもライセンス生産され、ロシアや旧ソ連を筆頭に現在、1063機が運用されています。

タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.57 ロシア 空軍 Su-27 B2 シーフランカー プラモデル 60757

1位 F-16

アメリカのジェネラル・ダイナミクス社によって1970年代に開発、1978年に運用が始まった第4世代多用途戦闘機。小型で軽量、単発エンジンということもあり、価格が安い上に、機動性、ペイロード能力が優れていることもあり、これまで延べ4,500機以上が製造され、20カ国以上が採用されたベストセラー戦闘機になります。改良が重ねられ、長年、西側の主力戦闘機を務めており、米軍だけでも1000機近く運用され、現在2248機が運用されています。とはいえ、生産数の半分になっていることから分かるように機体数は減っており、F-35の登場に伴い、そのシェアは徐々に失われています。ノルウェーやデンマーク、オランダなどF-16を運用していた国はF-35の導入に伴い余剰になったF-16の退役を進めています。10年以内に1位の座は他の機体に譲ることになるでしょう。

タミヤ 1/48 傑作機シリーズ No.98 アメリカ空軍 ロッキード マーチン F-16CJ ブロック50 ファイティング ファルコン プラモデル 61098

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Source
https://www.flightglobal.com/download?ac=83735

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