トルコの防衛軍需企業であるHavelsan & Transvaroは、敵の神風ドローンを無力化できる神風ドローンを開発した。
爆発物を搭載して機体もろとも標的に突っ込む自爆ドローンを、旧日本軍の「神風特攻隊」になぞらえ、世界的に「Kamikaze Drone(カミカゼドローン)」とも呼ばれている。その分野で世界的に先行しているのがトルコであり、世界時で初めて人間の操作なしで、自律飛行によって人間を追跡、自爆攻撃を行ったのはトルコ製ドローンになる。この分野で先行している分、カミカゼドローンの脅威について熟知しているのか、トルコは神風ドローンに対抗する神風ドローンを開発した。まさに「目には目を歯には歯を」といったところだろうか。
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「Fedei(フェデイ)」と名付けられた、この神風ドローンは敵のドローンに突っ込み自爆することでドローンを破壊、無効化する。フェディはレーダー、電気光学センサースイート、ミキシングデバイス、RF (無線周波数) 検出器、AIなどのさまざまなコンポーネントと統合されている。基地に近づく敵ドローンをレーダーが検知すると、電気光学センサースイートでロックオンし、追跡を始める。この時点でフェディは機動状態に入りる。コマンドアンドコントロールソフトウェアによって敵ドローンの迎撃ジオメトリが計算され、フェデイは迎撃のため離陸。飛び立ったフェディは視覚スキャンによって、標的の識別を行い、40mの距離で敵ドローンをキャプチャーすると弾頭を起爆させ、敵ドローンを破壊する。爆発はドローンの群れにも対応できる威力がある。ドローンの対抗策として妨害電波という方法があるが、既に妨害電波を無効化する術もあり、その場合、神風ドローンである「Fedei(フェデイ)」で対処することができると開発元は述べている。
現在はまだテスト段階であり、まだ完全な運用フェーズには達していない。今後、数か月間にかけてテストを行い、検出から破壊まで、システム全体の機能を実証する。