トルコ空軍の新しい大型攻撃ドローン「Akıncı」

トルコの新しい攻撃ドローンAkıncı
Photo Baykar

トルコ空軍(TAF)は8月29日、エルドアン大統領同席のもと行われた受領式典でBaykar社の新しい無人攻撃機(UCAV)「Akıncı(アキンジィ)」を受け取りました。

Akıncıはトルコの防衛企業である Baykar(ベイカー)社によって開発された同国最新鋭、最大の無人機・ドローンです。2019年9月に発表され、同年12月に初飛行。その後、厳格なテストを終え、2021年8月29日に行われた式典で最初の機体がTAFに納入されました。式典に参列したエルドアン大統領は、「トルコは無人機技術における上位三か国になった。トルコは滑走路の短い軍艦から離陸できるドローンを開発する意向であり、トルコをドローンの設計、製造、輸出のハブにしたい」と述べました。式典では最初の3機がTAFに納入され、年末までにさらに3機が納入される予定です。

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Akıncıのスペック

Akinci無人攻撃機は独自のツイストウイング構造を備えた翼幅20m、全長12.2m、高さ4.1mの大型ドローンです。両翼のエンジンは450馬力、または750馬力のターボエンジンを選択できます。巡航速度は130~195ノット(240~360km/h)。飛行高度は30,000~40,000フィート(9,000~12,000m)になり、 2021年4月のテスト飛行では38,000フィートで25時間46分間飛行するトルコの航空高度記録を破りました(滞空時間は24時間)。全自動飛行制御と三重冗長自動操縦システムのを搭載し、安全で安定した飛行を保証します。

ドイツ軍はアゼルバイジャン軍に勝てないと言っています。それほどドローン兵器は厄介です
Photo Baykar

最大離陸重量は6トン。内部に400kg 外部に1100kgと合計1500kgのペイロード能力を有します。トルコのRoketsanによって開発されたレーザー誘導爆弾(MAM-L)、射程240kmの長距離空対地巡航ミサイルや同じくトルコのTÜBİTAK-SAGEによって開発されたMerlinやPeregrineといった空対空ミサイルなど計9種類の兵器を搭載でき、対地・対空双方のミッションをこなします。高度なEO/IR/LDカメラ、アクティブ・フェーズドアレイ・アンテナ(AESA)、電子支援システム、二重衛星通信システムなど戦闘機と同等の電子機器を搭載。更に状況認識をリアルタイムでサポートする”デュアル人工知能アビオニクス”、衝突回避レーダーを搭載し、自律飛行も可能です。

”Akinci”はトルコ語で「侵略者」を意味し、高高度から敵の上空に侵入し、様々なミッションをこなします。

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軍用ドローン先進国トルコ

トルコは軍用ドローンにおいて先進国であり、戦場での実績に関しては世界一といってもよいかもしれません。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャン軍はトルコから購入した無人攻撃機「バイラクタルTB2」が大きな戦果を上げます。TB2はウクライナ軍やポーランド軍、ラトビア軍も購入するなど各国で採用が広がっています。2020年3月にはトルコの軍需企業 STM が製造したKargu-2 UAVが北アフリカのリビアで世界で初めて人間の手を解せずにAIによる自律攻撃を行ったことが明るみになるなど、実戦における戦火は世界をリードしています。そして特徴とすべきは無人機・ドローンの開発をほぼ自国内の技術によって行っていることです。NATOと対立を深めたことで兵器購入が滞ったトルコは兵器産業の外国依存率を減らし80%を内製化することを計画。近年、軍事技術を飛躍的に向上させています。軍用ドローンは国内防衛産業の今後の柱でもあります。

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Source
https://baykardefence.com/uav-14.html
https://www.dailysabah.com/business/defense/security-forces-get-akinci-turkeys-most-advanced-drone-to-date

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