米海兵隊はバックブラストが小さい新しいM72 FFEロケットランチャーを配備する

米海兵隊はバックブラストが小さい新しいM72 FFEロケットランチャーを配備する
US Marine

米海兵隊は5月21日、室内から発射も可能なバックブラストを抑えた新しい軽攻撃用火器「M72 FFEロケットランチャー」を2024年中に配備を開始する事を発表した。

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M72 FFE(©Nammo)

海兵隊システム司令部(MCSC)は海兵隊の新しい携行式肩発射ロケットシステムとして「M72 LAW Fire from Enclosure」こと、「M72 FFE」を新たに採用した事を発表した。これは現状配備しているM72 A7 LAWに代わるものだ。MCSCは2020年7月から海兵隊の殺傷能力と安全性を高める次世代の肩発射ロケットシステムを探していた。M72 FFEの最大の特徴は既存のM72よりもバックブラストが低減されている点だ。

M72 LAWは携帯型の使い捨て66mm無誘導対装甲兵器で、主に軽装甲の車両や建物の破壊に用いられる。1960年のベトナム戦争から使用され、これまで何回かのアップグレードを経ている。コンパクトで軽量、歩兵に対装甲攻撃能力を付与するが強力なバックブラスト(後方爆風)が発生するロケット推進システムを使用している点がネックだった。M72A3の場合、バックブラストは後方60度、最大40mまで達する。30度、15mのエリアが危険領域になり、発射の際はこのエリアには絶対立ち入ってはいけない。そのため、建物内部や狭いスペース、密集陣形は使用できないなど、制約が多かった。

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それを解決したのがM72 FFEでバックブラストを軽減。MCSCはM9ピストルよりもバックブラスト、フラッシュが軽減していると発表している。これにより、閉鎖された空間、ある程度、部隊が密集した状況でも発射が可能になっている。M72は発生する煙によって射手の位置を特定することを容易にし、部隊を危険にさらすデメリットがあったが、FFEでは、これを軽減、熱シグネチャも抑え、熱赤外線からも検知されにくなっている。

M72 FFEにはM72A8対装甲弾とM72A10多目的弾の2つの種類の弾頭がある。対装甲弾は装甲貫通力が高く戦車や装甲車への攻撃に、多目的弾は建物などの硬化構造物の破壊に適している。M72A10は、ターゲットの構造に基づいて高速モードまたは遅延モードのいずれかで動作する自己識別ヒューズを備えており様々な建造物、バンカーに対処することができる。 2024年に最初のM72 FFEが配備され、2027年までに全てのM72LAWがM72 FFEに更新される予定だ。

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