ウクライナがロシアの空爆拠点基地を攻撃!Tu-95、Tu-22M戦略爆撃機が損傷した

2022年12月5日の早朝、モスクワの南東約700km、ウクライナとの国境から約400kmのサラトフ州にあるエンゲルス-2空軍基地で爆発が起きた。ロシアメディアのRIAの報道などによれば、爆発の結果、3人が死亡、4人が負傷し、Tu-95戦略爆撃機2機が損傷した。他にもほぼ同時刻にモスクワの南東約200kmにあるリャザン近くのディアギレボ空軍基地でも爆発が起き、少なくともTu-22M戦略爆撃機1機が損傷した。

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エンゲルス基地での爆発の様子は6km離れたCCTVカメラで撮影されており、映像を見る限りは爆発は一度だけだった様子。サラトフ州知事はエンゲルス空軍基地で「大きな衝撃音と閃光」があったことをテレグラム上で認めている。これが攻撃によるものなのか、事故によるものなのかは今のところ不明だが、複数のメディアはウクライナの攻撃と報道している。同基地はウクライナの国境から400kmという位置、この距離を攻撃できるロケット・ミサイルをウクライナが所有しているという情報はなく、無人機・ドローンによる攻撃とされている。ロシア国防省は低空飛行する無人機を3機を撃墜するも破片が地表で爆発、その影響で2機の航空機が僅かに損傷をおったと発表している。ロシアはソ連製ドローンと言っているがウクライナの軍需企業Ukrobonopromは最近75kgの弾頭と最大1,000 kmの飛行範囲を持つ自爆ドローンを開発、テストに成功している。

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爆撃機の拠点エンゲルス‐2基地

エンゲルスはロシア航空宇宙軍の爆撃機作戦基地で、Tu-160戦略爆撃機の唯一の運用場所であり、Tu-95、Tu-22も含めたロシア軍が誇る3つの戦略爆撃機が同基地にあるとされ、第121親衛重爆撃機航空連隊、第184親衛重爆撃連隊が同基地を拠点にしている。ロシアからのミサイル攻撃の多くはこれら爆撃機から空中発射されるもので、ここ最近のKh-101巡航ミサイルの攻撃は121航空連隊による攻撃とされている。同基地を破壊することはウクライナにとって、これ以上のミサイル攻撃を防ぐ上で重要だ。爆発の数日前に撮影された衛星写真では8機のTu-95と4機のTu-160Mが駐機していとされ、ウクライナへの大規模なミサイル攻撃を計画していたとされている。今回の爆発では2機のTu-95が損傷した。Tu-95はソ連時代の1950年代に開発された戦略爆撃機。ロシア軍が運用する爆撃機としては一番古いモデルで4発エンジンのプロペラ機だ。飛行高度12,000m、航続距離は15,000km、ペイロードは最大15,000kgでTu-95MS-16モデルの場合、最大16発のKh-55空対地ミサイルを搭載できる。

また、ほぼ同時刻に、モスクワの南東約 200kmにあるリャザン近くのディアギレボ空軍基地で燃料タンクが爆発し、3人が死亡し、5人または 6 人が負傷したという情報もある。同基地にはTu-95とTu-22Mが駐機しており、少なくとも1機のTu-22M3が損傷したという情報がある。Tu-22Mは1950年代に開発されたTu-22をミサイル搭載型に改良したモデルとして1972年にソ連軍に配備された可変後退翼の超音速戦略爆撃機。航続距離は6,800kmとTu-95の半分しかないが、最高速度1,997 km/hと音速飛行する。ペイロードは24,000 kgとTu-95よりも多く、極超音速ミサイルKh-47M2 キンザール4発を搭載する。

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ロシアのエンゲルス-2空軍基地で爆発!Tu-95戦略爆撃機2機が損傷した
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