ウクライナ空軍、F-16の供与を前に英語が堪能なエースパイロットを事故で失ってしまう

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ウクライナ空軍は26日、ウクライナ北部でL-39戦闘練習機2機が空中で衝突し、3名のパイロットが亡くなったことを発表した。その内の1名はコールサイン「ジュース」の名を持つエースパイロットだった。

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ウクライナ空軍の発表によれば事故は25日、ウクライナ北部のジトームィル地方付近で起きた。戦闘任務中に2機のL-39戦闘訓練機が空中で衝突し、乗っていたパイロット3名が死亡した。報道では訓練機と発表されているが、ウクライナ空軍は戦闘任務中での事故と発表している。L-39は旧チェコスロバキアで1960年代に開発された機体で、高度ジェット練習機兼”軽攻撃機”としての性能を持ち合わせており、23mm機関砲、短距離空対空ミサイル、通常爆弾、無誘導ロケット弾が搭載できる。ジトームィルは前線から数百km離れており、前線に向かう途中だったのか任務内容は不明だ。

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エースパイロット「ジュース」が死亡

ウクライナ国防省は今回死亡した3名のパイロットの1人が「ジュース」というコールサインを持つアンドリー・ピルシュチコフ少佐ということを認めた。彼は昨年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まった当初、首都キーウでの防衛線でMig-29戦闘機でロシア軍機を複数撃墜し、一躍有名に。当時、騒がれた「キーウの幽霊」とも呼ばれた。

ピルシュチコフ少佐は英語も堪能で、その優れた英語力を買われてウクライナ空軍の非公式大使にも就任し、外国メディアのインタビューに何度も応じ、ロシア軍機のとの戦闘の経験を語っている。現在、ウクライナ空軍は西側から提供させるF-16戦闘機の配備にむけ、数十人のパイロットがデンマークやイギリスで操縦訓練を8月から受けている。ただ、ここで重要になってくるのが西側の教官と密なコミュニケーションをとるための英語力で、実際に操縦訓練がスタートしているのは英語が堪能な8名のみで、残りの候補生20名はまずはイギリスで英語を学んでいる。そういった状況の中でウクライナ空軍は高度なスキルと経験を持ち、且つ優れた英語力を持つエースパイロットを失ってしまったのだ。これはウクライナにとって大きな打撃だ。彼自身もF-16に乗ることを夢見ていた。彼は昨年7月にアメリカを訪れ、西側戦闘機の必要性を米議会と米国防総省に訴えており、F-16の供与を最も待ち望んでていた一人だった。

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ウクライナ空軍、F-16を受け取る上でのパイロット英語能力問題
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F-16の供与状況

今月20日にオランダとデンマークはウクライナに42機のF-16の供与を発表している。デンマークは19機を供与すると言っているのでオランダが23機を供与されると思われる。デンマークは最初の6機を年末頃に納入、その後2024年に8機、2025年に5機が納入すると述べている。さらに24日にはノルウェーもF-16の供与を表明、数はまだ名言されていないが、19機との報道もあり、ウクライナは60機以上のF-16を受け取ることになるかもしれない。しかし、現状、パイロットが足りていない。訓練を受けているのは30名弱と機数に対して半分。予備人員も含めれば100名ほどの育成が必要だろう。F-16の操縦訓練はスキルに応じて5~8カ月かかるとされる。デンマーク、オランダ、米国は2024年から数十人のパイロット候補生に訓練を実施することを表明しているが、期間を考えればF-16の飛行隊が揃うのは2024年末になるかもしれない。

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ウクライナ空軍、F-16の供与を前に英語が堪能なエースパイロットを事故で失ってしまう
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