ウクライナ空軍のパイロットはA-10の操縦訓練を受けていますが、A-10の供与を米空軍は否定しました

ウクライナ空軍のパイロットはA-10の操縦訓練を受けていますが、A-10の供与を米空軍は否定しました

アメリカ空軍のA-10攻撃機をウクライナを支援するために送るべきだという声がアメリカ国内で上がっていましたが、米空軍はそれを否定しました。

ウクライナは不足する航空戦力を補うためNATOに戦闘機の支援を要求しており、現在、アメリカがF-16をポーランドに提供する代わりにポーランドが保有するMig-29をウクライナに提供する形で協議が行われています。これとは別にアメリカでは一部の議員や元米国防当局者がウクライナを支援するために米空軍の攻撃機A-10サンダーボルトをウクライナ空軍へ移管するよう要請しました。米空軍は281機のA-10を保有しています。しかし、3月3日に開かれた、2022年空軍協会戦争シンポジウムにおいて空軍長官のフランク・ケンドール、参謀総長のチャールズ・Q・ブラウンは「ウクライナにA-10を配備または提供するためのいかなる現在の計画も、議論も知らない」と述べ、A-10の提供を否定しました。

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ロシア戦車を破壊するために開発された攻撃機

A-10はロシア軍(ソ連軍)の戦車を破壊する「タンクキラー(戦車殺し)」として1970年代に開発された近接航空支援機です。低速、低空で飛行し、機首には30mmガトリング砲、翼のハードポイントには精密誘導爆弾、空対地ミサイル、対地ロケットといった様々兵器を搭載。1991年の湾岸戦争で実戦デビューすると、以後、アフガニスタン戦争、イラク戦争で地上部隊を支援し、多くの戦果を挙げてきました。機体は頑丈で、運用コストも安く、設備が整っていない東欧の空港でも利用できるように設計されています。しかし、空対空能力を持たないためA-10は基本、完全に制空権を確保した上で運用されます。

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ウクライナのパイロットはA-10の訓練をうけている

A-10はパイロットの再訓練が最小限であり、既存のパイロットは直ぐに操縦方法を習得することができます。さらにウクライナ空軍には過去の軍事交流プログラムでA-10の操縦訓練を受けたパイロットが複数いるとされ、つまり、A-10は引き渡し後、直ぐにでも戦力として飛行することができます。A-10の攻撃能力はキエフ郊外で長い車列を組むロシア軍を攻撃する上で、非常に有効とされます。

しかし、A-10はこれまで米軍以外では使用されたことなく、例えウクライナに移管され、ウクライナ空軍仕様にカラーリングしても、これがウクライナ上空で飛行すれば、ロシアはアメリカが戦闘に参戦したとみなす可能性があり、ウクライナへの供与は現実的に難しいとされます。

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Source

https://breakingdefense.com/2022/03/no-the-us-air-force-isnt-going-to-give-ukraine-its-a-10-warthogs/
https://rollcall.com/2022/03/04/give-ukraine-u-s-aircraft-democratic-lawmaker-urges/

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