ウクライナの教訓から米陸軍はAH-64Eアパッチにレーザー保護システムを搭載する

ウクライナの教訓から米陸軍はAH-64Eアパッチにレーザー保護システムを搭載する
US Army

アメリカ陸軍は、ウクライナでの戦争の教訓からAH-64Eアパッチ攻撃ヘリコプターに短距離防空ミサイルの赤外線探知を防御するレーザー防御システムの装備を急ぎます。

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CIRCM(Common Infrared Countermeasures)
Northrop Grumman

搭載されるCIRCM(Common Infrared Countermeasures)と呼ばれる次世代の軽量レーザー ベースの新しい防御システムは、ミサイル警報システム (MWS) とフレアやチャフといった赤外線誘導ミサイル対策の一つで、これらと連携し、地対空ミサイルや携帯型防空システム (MANPADS) からの攻撃を防御します。2021年に本格的な生産に入り、100機以上の固定翼機、回転翼機に搭載され、2022年11月に運用能力を達成しました。

翼端に前モデルのLAIRCMを装着したAH-64E(US Army)
端に前モデルのLAIRCMを装着したAH-64E(US Army)

端に装着されたCIRCMは赤外線・熱誘導ミサイルの接近を検知すると赤外線センサー対抗システムを使用し、AH-64Eに機体エンジンよりも強力な目に見えない熱源・赤外線のマント、ポイントを形成します。レーザーというように指向性をもっており、変調レーザーパルスを使用してミサイルに向けて照射し、誘導システムを混乱させて目標を逸らす、若しくは目標維持を難しくさせます。

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ウクライナの状況を見て配備を急ぐ

今回、CIRCMの配備を急いだ背景にウクライナでの戦争があります。ウクライナではロシア軍の最強攻撃ヘリで重装甲のKa-52がMANPADSに多数撃墜されており、それは米国製の「スティンガー」だけではなく、ソ連製の古い「9K38 イグラ」でも撃墜されており、防空システムを持つ正規軍同士での戦闘でのヘリの対空ミサイルに対する脆弱性が明らかになります。CIRCMは最初にCH-47チヌーク輸送ヘリに配備される予定でしたが、まだ搭載されたという情報はありません。CH-47は後方での輸送任務が主であり、前線に出る攻撃ヘリの方が撃墜されるリスクが高いため、AH-64Eアパッチが優先されたのかしれません。

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Major protector of aircraft achieves Initial Operational Capability

COMMON INFRARED COUNTERMEASURE (CIRCM)

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