ウクライナ軍は23日土曜、ロシア占領下のクリミア半島セヴァストポリのロシア海軍黒海艦隊の施設と、その他のインフラに対する夜間攻撃を実施し、ロシアの大型揚陸艦2隻を攻撃したと発表した。
Great news 🔥
— Defense of Ukraine (@DefenceU) March 24, 2024
-2 russian ships.
Overnight, the Ukrainian Air Force successfully struck "Yamal" and "Azov" Ropucha-class landing ships in temporarily occupied Sevastopol.
In addition, the russian Black Sea Fleet's communications center and several infrastructure facilities were… pic.twitter.com/EdGhK18nxf
ウクライナ軍は24日、「ロシア占領下のクリミアで、アゾフとヤマルの大型揚陸艦、通信センター、さらにはロシア黒海艦隊の複数のインフラ施設を攻撃することに成功した」と発表した。攻撃は23日夜に行われ、Su-24戦闘爆撃機から発射された巡航ミサイル「ストームシャドウ/SCALP」によるものとされている。規模は不明だが、セヴァストポリの知事は、ウクライナのミサイル10発が撃墜されたと発表している。
Russian targets in Sevastopol, temporarily occupied Crimea, are getting absolutely pounded tonight; presumably by Ukrainian Storm Shadow/SCALP-EG cruise missiles. pic.twitter.com/AVEm3tsVI8
— Jimmy Rushton (@JimmySecUK) March 23, 2024
この攻撃の結果、ロシア海軍黒海艦隊に所属するロプーチャ級大型揚陸艦アゾフ(Azov)とヤマル(Yamal)の2隻が損傷したとウクライナ軍は発表している。しかし、損傷の程度は明らかになっていない。ミサイルが爆発する映像はSNSで拡散されているが、艦の損傷を明らかにする映像や写真は今のところ確認できていない。しかし、攻撃時にアゾフとヤマルがセヴァストポリの黒海艦隊施設に居たのは明らかなようだ。3月初旬、ヤマルがセヴァストポリのドックで修理を終え、同海域周辺の海上試験の準備をしていたことが知られており、一方、アゾフは同港で修理作業が続いていた。致命的な損傷がなくとも、港湾施設の損傷と修理の遅れによって両艦の復帰は先になる見通しだ。
ロプーチャ級揚陸艦は全滅?
黒海艦隊はアゾフとヤマルと同じロプーチャ級大型揚陸艦であるノヴォチェルカッスクを2023年12月26日にウクライナ軍のミサイル攻撃によって失い、今年2月14日はシーザー・クニコフを自爆無人艇攻撃によって失っている。黒海艦隊には4隻のロプーチャ級が在籍していたが、今回の2隻の損傷が事実であれば、現状、ロプーチャ級は全滅してたことになり、残るは旧式の2隻のタピール級揚陸艦になる。ちなみにタピール級は当初3隻あったが、2022年3月にサラトフがミサイル攻撃を受けて沈没している。つまり、侵攻前に7隻あった大型揚陸艦の内、運用可能なのは現状2隻しかない。しかし、黒海艦隊は侵攻前にバルチック艦隊と北方艦隊から5隻のロプーチャ級と1隻のイワン・グレン級揚陸艦を黒海に入港させていたので、実際には13隻体制の大型揚陸艦で侵攻を開始していた。しかし、北方艦隊から来たオレネゴルスキー・ゴルニャクは2023年8月4日、黒海の東ノヴォロシースク港で自爆無人艇の攻撃を受け、船体に大きな穴が空く、自走不可能になる大破。2023年9月12日にはバルチック艦隊から来たミンスクが今回の攻撃同様に、セヴァストポリのドックで修理中にミサイルの直撃を受け、修理不可能な損傷受けている。つまり、9隻体制だったロプーチャ級揚陸艦も残すは3隻のみで、他の揚陸艦を合わせても6隻と侵攻前から戦力は半分となった。
ウクライナ軍はクリミア半島および、ウクライナ南部のロシア軍の補給を絶つためにクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア大橋の破壊及び、海路の補給の要である大型揚陸艦の破壊に焦点を当てている。今年に入ってからは自爆無人艇の攻撃が主だったが、追加のミサイル支援がイギリスとフランスから届いたのか、久しぶりのミサイル攻撃になる。