ウクライナ軍、Tu-22M3を撃墜!戦略爆撃機の撃墜は侵攻後初

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ウクライナ軍は19日金曜日、ロシアのTu-22M3戦略爆撃機を撃墜したと発表しました。此度の戦争で戦略爆撃機が撃墜されるのは初めてです。

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ウクライナ空軍司令官ミコラ・オレシチュク氏は19日、テレグラムを通じて声明を発表し、空軍防空ミサイル部隊が国防情報総局と協力してロシア航空宇宙軍のTu-22M3戦略爆撃機を破壊した事を発表、「ウクライナ空軍の対空ミサイル部隊は、ウクライナ情報総局と協力して初めて、Kh-22巡航ミサイルの搭載機であるTu-22M3長距離戦略爆撃機を破壊した。ロシアのテロリストは平和なウクライナの都市を攻撃するために、それを利用していた」と述べました。

Tu-22M3は、ウクライナのドニプロペトロウシク州へのミサイル攻撃を行った後の帰路の途中、4月19日朝、ロシア南部のスタヴロポリ地方で墜落しました。ロシア国営メディアの報道によると、ロシア国防省は、同機は戦闘任務を終えて基地飛行場に帰還中に「技術的故障」により墜落したと主張しており、ウクライナ軍による撃墜は否定、しかし、墜落するTu-22M3の映像がSNSで多数拡散していることもあり墜落した事自体は認めています。パイロット2名が脱出し、無事とされていますが、パイロット1名、乗組員1名の2名が亡くなったと報道されています。

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ウクライナ軍が撃墜した事が事実であれば、気になるのが撃墜した方法です。Tu-22M3が墜落した地点はウクライナの前線から350kmも離れています。これは、アメリカ製のパトリオットやソ連製のS-300といった防空ミサイルの射程範囲外です。今回の撃墜は今年2月に前線から300km離れた地点で撃墜されたロシア軍の早期警戒管制機A-50が撃墜された方法と同じとされています。この時は旧式のソ連製防空ミサイルS-200が使用されました。S-200は1960年代にソ連で開発された長距離高高度防空ミサイルシステムで、冷戦下の中、米国の高高度戦略爆撃機・偵察機に対抗するために開発されました。ウクライナ軍では2013年に全基退役していましたが、ミサイルの不足もあり、これを復活させます。旧式ということもあり、当初は本来の使い方とは違う弾道ミサイル用途で使っていましたが、最近は防空ミサイルとして使用、旧式であるため、高速で飛行、運動能力が高い現代の戦闘機に対しては通用しませんが、輸送機や早期警戒機など大型で運動能力の低い機体に対してはまだ有効であると分かり、最近は本来の防空ミサイルとしても使用、A-50を撃墜するなど成果を出してます。

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ただ、公表されているS-200の射程は最大300kmとされており、今回、撃墜された場所は前線から350km離れているので従来のスペック通りであれば射程外になります。攻撃されたのは前線から300km圏内とされ、攻撃を受けた際はなんとか飛行できる状態だったものの、基地までたどり着く前に炎上墜落したと推測されています。ウクライナ軍はこれまで2機のTu-22M3を破壊していますが、いずれも駐機中の機体で、今回、飛行するTu-22M3の撃墜が事実であれば、ロシア軍の空爆に頭を悩ますウクライナ軍にとっては大きな成果です。

ロシア軍はウクライナ侵攻前、60機のTu-22を運用中でしたが、現在はその半数以下になっています。戦争で失ったのは3機であり、大半は出撃増による運用過多で機体寿命が縮み、メンテナンスが追い付いていないものと思われます。

ウクライナ軍は防空ミサイルが不足していると報じられている中、直近でA-50早期警戒管制機、IL-76輸送機、そして、今回のTu-22M3戦略爆撃機と大型機の撃墜が相次いでいます。特に爆撃機はウクライナ領空外からミサイル攻撃するなど厄介者でしたが、300km圏内で撃墜できると知らしめた事は大きな意味を持ちます。

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