ウクライナ軍は第二次大戦時のDP28軽機関銃まで持ち出してきています

ウクライナ軍は第二次大戦時のDP28軽機関銃まで持ち出してきています
Photo RIA

ロシアの脅威に直面するウクライナでは、一般市民によって編成される領土防衛軍の志願兵も増加し、訓練も活発化。不足する兵器を補うために第二次世界大戦で使用されたDP28(DP27)軽機関銃まで導入されています。

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領土防衛軍の装備

ロシアによる侵攻の脅威が迫るウクライナ。戦力で圧倒的に劣るウクライナでは一般市民によって編成された領土防衛軍に志願する者が増え、その数は現在13万人を超えるとされます。しかし、装備の優先順位は正規軍と予備役部隊、国家親衛隊が先になり、民兵組織・準軍事組織である領土防衛軍に正規軍のように近代化した装備を揃えるのは資金的にも難しく、正規軍では使用されなくった古いAKシリーズのAK-47やAK-74といったライフルがメインになります。更に、これに加え、第二次世界大戦で使用されたDP28(DP27)軽機関銃まで持ち出してきており、キエフ地域にある第114独立領土防衛旅団のブロバルイ大隊はDP28軽機関銃の扱い方を学ぶ講習を兵士に行っています。

DP28機関銃とは

DP28

「DP28軽機関銃」はロシア帝国終焉後、1922年に誕生したソビエト連邦で最初に設計された火器になり、1927年に開発、1928年から配備が始まった軽機関銃です。開発年である「DP27軽機関銃」とも呼ばれます。ロシア帝国時代、機関銃は米国のマキシム機関銃のライセンスを取得し、国産のPM1905重機関銃とその改良版であるPM1910重機関銃を生産。しかし、これらの銃は日露戦争、第一次世界大戦といった度重なる戦争で使い古され、新しい銃の調達に迫られます。先の大戦の経験から歩兵が持ち運びできる軽機関銃の有用性に気付いたこともあり、軽機関銃の開発に着手。ガンスミスのヴァシーリー・デグチャレフは自身が以前開発していた7.62mm口径のカービンライフルを機関銃に変える形で”デグチャレフ型歩兵用火器(DP)”を開発。その後のフィンランドとの冬戦争、第二次世界大戦で使用され、1960年代にカラシニコフ軽機関銃(PK)が誕生するまで約80万挺が生産され、ソ連軍、東側の主力軽機関銃として運用されます。

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弾薬はドラグノフ狙撃銃やPK機関銃でも使用されている現役の7.62x54R弾を使用。全長1,270mm、重量は7.77kg(バイポッドなし)と8.5kg(あり)。そして、最大の特徴が円盤型マガジン(パンマガジン)です。47発の大容量マガジンで装填された時の重量は2.6〜2.85kgになります。最大射程は1500mで、発射速度は最大600発/分と古い銃ではありますが、現代においても十分な火力を有しています。

1000万挺の銃器があるとされる

2014年に東部ドンパスで親ロシア派が武装蜂起した際、当時、まだ十分な装備を持っていなかった国家親衛隊のドンパス大隊の一部はDP28や PM1910重機関銃で応戦しています。旧ソ連のウクライナはソ連の兵器製造の中心地であったため、ソ連崩壊後、大量の小型武器と弾薬を受け継いでおり、銃器だけでその数は推定1000万と言われています。戦力に劣るウクライナですが、古いものの国民が武器を持って抵抗する上では十分な銃器があります。

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https://mil.in.ua/uk/news/teroboronu-navchayut-korystuvatysya-kulemetamy-degtyarova/
https://www.gunpolicy.org/firearms/region/cp/ukraine

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