州兵とは?米軍との違い

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州兵とは?米軍との違い
カルフォニア州軍

アメリカの映画やドラマ、ニュースを見るとたまに聞くワード「州兵」。名前からして州の兵というのは想像は付くけど、米軍とは違うの?

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州兵という呼び名は正しくない

そもそも、「州兵」と呼び名は正しくない。英語では「National Guard」といい、直訳すれば”国家警備隊”になる。しかし、日本では州兵という呼び名で使用されており、ここでは州兵を使って説明する。

実際の州兵は別にある

State Guard」という名で、本当の意味での州兵は別に存在する。州の規模も小さく全ての州に存在するわけではない。

州兵とは?軍との違い

アメリカの50の州とグアム、バージン諸島、プエルトリコ、コロンビア特別区の4地域には独自の州兵が存在する。陸海空海兵からなる正規アメリカ軍ではなく州・地域の軍隊になる。州陸軍は全州におり、州によって州空軍・海軍が存在する。米軍は合衆国大統領・連邦政府の管轄下なるが、州兵は州知事・州政府、大統領・連邦政府と二重管理下に置かれている。大統領命令によって連邦管理下にされない限り、州知事の管轄下にある。「Total Force」という概念の下では、州兵は米国陸軍の予備部隊と見なされている。つまり、緊急時には米軍に編入され指揮下に入る。実際、連邦政府の命令で州兵がアフガニスタンなど戦地に派遣されている。

※ちなみにState Guardは完全に州知事の管理下にあり、州の資金によって運営されている。連邦政府に指揮権はない。

正規軍よりも歴史が古い

州兵の起源はまだアメリカが植民地であった1600年代に遡る。植民地を守るために創設された民兵組織が起源になる。米軍が設立されたのは独立戦争時の1775年だ。独立後、民兵は州民兵になり、今のように連邦政府と州の二重管理下に置かれたのは1933年になる。

州兵の任務

軍は国に仕え国を守ることが任務だが、州兵は州に仕え州を守ることが任務になる。州の治安や利益が危機に瀕している場合、州兵は州知事によって呼び出される。その任務は自然災害、捜索救助、治安出動、そして州に侵攻があった場合の防衛になる。新型コロナの対応ではカルフォニアのクルーズ船の対応で州兵のヘリで検査キットを届け、ニューヨーク州では知事が地域封鎖に州兵の出動を命令している。今後、アメリカでコロナが広がるようであれば治安維持などに多くの州兵が出動すると思われる。

州兵はパートタイム

軍の兵士はフルタイムのプロの兵士になる。しかし、州兵はパートタイムになる。大多数の州兵は、普段はフルタイムで民間の仕事に就きながら、州兵の方はパートタイムで働いている。そのため、毎月1回の週末と年に2週間の訓練参加が義務付けられている。

州兵とはいえ一国の軍隊に匹敵する

州兵というえども広大な国土と経済を誇るアメリカの州の規模は一国に匹敵する規模になり、州兵も軍並みの規模を有する。全州兵の兵員は43万人(2018年)に達し、これは自衛隊の倍の規模になる。

一番規模が大きいとされるのが南部に位置するテキサス州になる。州の面積としてはアラスカ州に次ぐ2位になり、メキシコと国境接することから、国境警備や不法入国など懸案事項も多い。陸軍と空軍からなるその規模は2万人以上になり、特殊部隊も擁している。兵力だけでいえばスイス軍と同等になる。空軍にはF-16戦闘機が配備されている。

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