米空軍は中国軍からのレーザー照射の嫌がらせ急増に伴い、保護メガネを支給する

USAF

中国軍による航空機への軍用レベルのレーザー照射やフレアを発射する事件が増加している事を受け、アメリカ空軍は、パイロットや乗組員の目をレーザーから守るため、空軍兵士に42,000個の目を保護するための特殊な眼鏡を支給する。

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Air force timesの報道によれば、この保護メガネは最近の中国軍によるレーザー照射の増加を考慮して、パイロットや乗組員に今後、起こりえるかもしれない潜在的なリスクを軽減することを目的としていると空軍ライフサイクル管理センターの担当者は述べた。メガネはレーザーだけでなく、フレア

の破片といった物理的な物からも目を保護することを目的としている。

空軍安全センターによれば、軍用の強力なレーザーポインターが眼球や航空機のフロントガラスに当たるとフラッシュブラインドが発生する可能性があるという。そうなるとパイロットの視界は一時的に奪われ、操縦に支障をきたし、安全な飛行、着陸ができなくなり、大事故を引き起こしかねない。また、強力なレーザーを眼球に直接浴びると白内障を引き起こす可能性があり、 網膜損傷や視神経損傷といった回復不能な大ダメージを引き起こすこともあり、そうなればパイロットはキャリアを失い、空軍は貴重なパイロットを失うことになる。こうしたリスクを保護メガネを支給する事で事前に防ぐことできる。

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パイロットは日中と夜間に使用する対レーザーゴーグル、対弾道ゴーグル、暗視ゴーグルと接続するバイザーなど、8種類の眼鏡を着用することで、このような致命的なリスクから目を守ることができる。保護メガネはF-35AライトニングII戦闘機とU-2ドラゴンレディ偵察機のパイロットを除くすべての乗組員の目を保護するように設計されている。特に優先すべきはティルトローターやヘリコプターのような低速、低高度の航空機のパイロットになり、高速で飛行する戦闘機や高高度を飛行する爆撃機のパイロットはおそらくレーザーを照射を受けるリスクは少なく避けることができる。今後3年間で42,000個以上のメガネとバイザーを支給する予定だ。

2018年には東アフリカのジブチで米軍のC-130輸送機が中国からレーザー照射を受け、乗員2名が目に軽傷を負っている。2022年2月には中国海軍の艦艇が豪州北部沖合を飛行中のオーストラリア海軍のP-8A哨戒機にレーザー照射を行っている。この時は幸い、けが人はいなかった。また、飛行機ではないが、2023年2月にはフィリピンの沿岸警備隊の巡視船が南シナ海で中国海警局の船からレーザー照射を受け、これにより、乗員の視界が一時的に遮られ、巡視船は後退を余儀なくされた。

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Source

Air Force to issue protective eyewear as laser pointer incidents surge (airforcetimes.com)

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