アメリカ、ウクライナ軍アゾフ旅団の米国製兵器の使用を許可

アメリカ、ウクライナ軍アゾフ旅団の米国製兵器の使用を許可
Azov Brigade

アメリカは長年、ウクライナのアゾフ旅団をネオナチ集団と認定し、同旅団がウクライナに供与したアメリカの兵器を使用することを禁じてきたが、アメリカはこれらの制限を解除した。これにより、ウクライナ軍の中でも精鋭部隊の一つとされる同旅団はアメリカ製兵器の使用が可能になる。

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アゾフ旅団の創設者の一部が極右志向、超国家主義、排他的の人種差別主義者として知られ、同旅団はしばしば、ナチズムを信奉するネオナチ集団と言われていた。国連人権局もこの旅団が2014年のウクライナ東部紛争で人道侵害行為を行っていると非難したため、アメリカは重大な人権侵害を犯したと確実に判明している外国の部隊に米軍が援助を行うことを禁じる法律「リーヒ法」にのっとり、10年前、同旅団がアメリカ製兵器を使用する事を禁じ、それが現在もなお、続いていた。しかし、ワシントンポストなどの報道によれば、アメリカ国務省は11日月曜、「徹底的な調査の結果、ウクライナのアゾフ旅団が重大な人権侵害を行ったという証拠は見つからなかった」と語り、アメリカ製兵器の使用を禁じた制裁を解除した。実際にいつ措置が解除されたのかは明示されていない。アゾフ旅団はこれまで、この制裁により、米国の対戦車ミサイル「ジャベリン」や携帯型対空ミサイル「スティンガー」といった米国製兵器を使用する事ができなく、使用する兵器は国産もしくは旧式のソ連製兵器に限定されていた。制裁の解除により、強力で近代的な米国製兵器を使用することができるようになる。アゾフへの様々な規制はロシアによる侵攻後、解除されており、Facebookなどを展開するメタ社は2023年1月にアゾフを「危険な組織」とみなすべきではないと決定し、規制していたFacebook、Instagramへのアゾフコンテンツの投稿を解禁している。

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アゾフ旅団

アゾフ旅団は、2014年にウクライナ東部で起きた「東部紛争」時に親ロシア派分離主義者と戦うため、義勇兵によって自発的に創設された義勇軍の「アゾフ大隊」が起源になる。ドンパス戦争で名を上げるとウクライナ国家親衛隊に編入され、正規部隊に。その後、2015年には東部作戦地域司令部第12特務旅団隷下のアゾフ特殊作戦分遣隊として連隊規模に。2023年には旅団に格上げされている。

しかし、創設時から、一部のメンバーが極右やネオナチ思想を持っている、ナチズムに関連する物議を醸すシンボルの使用、部隊のメンバーが人権侵害に関与した、極右や極右国家主義団体と繋がりがあるなど批判があり、国際的な論争を引き起こした。これら国際的批判をかわすため、一部の創設メンバーは旅団を去るなど、旅団の非政治化を主張していた。そして、このアゾフの存在がロシアのウクライナ侵攻に利用される。プーチン大統領はウクライナ侵攻の理由として、ウクライナの「非ナチ化」を目標とする宣言。アゾフをウクライナのナチ化の根拠とし、ウクライナ政府と軍がナチスの支配下にあるという描写の証拠の1つとして大々的に利用した。もちろん、これらは全く根拠の無い話になる。

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アゾフ連隊は南東部の要衝マリウポリを拠点にしており、ウクライナの非ナチ化を掲げるロシア軍は侵攻初期に同都市に東西から進軍。マリウポリはロシア軍に完全に包囲される。圧倒的な戦力差、満足な補給も受けられない状況でアゾフスタル製鉄所を拠点に2022年5月に降伏するまで3か月に渡り、粘り強く防衛した事でアゾフは有名となった。これにより、ロシア軍の進撃が遅れ、ウクライナ軍も戦力と反撃準備を整えることができた。

マリウポリで戦ったアゾフの主要隊員の多くは死傷、または捕虜となったが、ロシアによる侵攻時、アゾフ連隊の退役メンバーによってキーウやハリキウではウクライナ領土防衛隊内に新たなアゾフ部隊が創設されている。また、マリウポリで捕虜となった隊員約200人が2022年9月に捕虜交換でウクライナに戻っている。現在のアゾフ旅団の規模は7000人ほどでその内、一割がマリウポリの生き残りや捕虜交換で返ってきたものになり、9割がロシアよる侵攻後に入隊した新規兵になる。ウクライナ特殊作戦部隊(SSO)の一部として再配置され、特別な訓練と装備を受けた「アゾフSSO 」は第3独立強襲旅団に再編されている。

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