戦争・紛争・内戦の違い

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戦争・紛争・内戦の違い

争いごと、武力衝突は大きく、「戦争」「紛争」「内戦」の3つに表現される。しかし、この違いがあやふやになっていないだろうか?この三語の定義についてざっくり解説したいと思う。

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戦争(WAR)

戦争・紛争・内戦の違い
第二次世界対戦 ノルマンディー上陸

戦争とは国家間での争いや対立のことで目的のために武力を行使し戦いを挑むこと。戦いの主役は主に正規軍になり、比較的規模が大きい武力衝突になる。国際法上は相手国に対し、開戦前に宣戦布告が必要になる。最近だと2001年のイラク戦争は米国とイラクの国家間での戦争になる。
だが、戦争は広義の意味でも用いられており、武力衝突を総じて戦争として表現することも多い。また、「受験戦争」など物品・サービスのシェア・覇権争いを「○○戦争」と比喩的な表現にも用いられる。

紛争(CONFLICT)

国家間の大規模な対立までもいかないまでも、ある範囲で限定的に起きる争いごとや揉め事のことを指す。戦争よりも規模は小さく、フォークランド紛争やカシミール紛争など領土問題に端を発して起きる小規模で限定的な国家間による武力衝突に用いられることが多い。また国家vs武装勢力といった構図にも使われる。
2001年から続くアフガニスタン紛争では米国は大規模な軍を展開しているが、相手は国家ではなくテロリストであるため、戦争ではなく紛争と表現される。2014年からウクライナ東部・クリミアで起きているウクライナとロシア間の武力衝突(写真上)は、地域が限定され、また、表向きはロシアは正規軍を出していないため紛争扱いになる。

内戦(CIVIL WAR)

戦争や紛争は国家間や外部の武力勢力との戦いになるが、内戦は国内の国民同士の争いなる。主に民族や宗教、政権の対立によって起き、中東やアフリカで多い。シリア内戦(写真上)はアサド政権と、アサドの独裁と圧政に対し反旗を掲げる国内の反政府勢力の争いになる。ただ、シリアではイスラム国やクルドなど外の勢力も入り交ざっており、紛争と表現されることもある。アフリカのリビア内戦はカダフィ政権が倒れてから、政権支配を狙う複数の国内部族間の政権争いになるので内戦だ。朝鮮戦争やベトナム戦争は同じ民族同士の争いだったが、南北で国家を宣言し、中国・ソ連と米国間での代理戦争でもあったため、戦争と表現されている。
内戦は正規軍ではない民兵が多く、国内に限定されるため国際法が順守されず、且つ国際社会の目が届きにくい事もあり、虐殺や略奪、レイプなど無法地帯に化すことが多く。

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