狙撃チームの三人目のメンバー「フランカー」とは?

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狙撃チームの三人目のメンバー「フランカー」とは?
出典:US Army

狙撃チームは射手である”スナイパー”と観測手の”スポッター”のツーマンセルが基本だと思っていたが、最近はどうやら違うようだ。この二人の他にフランカー(flanker)という3人目のメンバーを置くことが米陸軍、海兵隊の狙撃チームでは一般的になっている。このフランカーとは一体どういった役割を担うのであろう?

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フランカーは側面を守る人という意味

ラグビーに詳しい人は、フランカーと聞くとラグビーのポジションを思い浮かべる人は多いだろう。私もそこまでラグビーに詳しい訳ではないのだが、ラグビーにおけるフランカーは中段の両サイドに位置するポジションになり、役割はボールをもった味方選手を敵からの圧力から守り、守備時は我先に敵にタックルを仕掛けるポジションだ。まさしく狙撃チームにおけるフランカーも同様の役割になる。

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フランカーという単語はもともと軍事用語になり、日本語で「陣形の側面を守備する兵士」という意味になる。過去にはNATOのコードネームとしても使われている。

スナイパーとスポッターをまもる

狙撃チームの三人目のメンバー「フランカー」とは?
出典:US Marine

狙撃チームでのフランカーの主な役割はスナイパーとスポッターを守ることだ。スポッターにもスナイパーを守る役割があるが、狙撃時、両者は射撃と観測に集中しており、実際は周囲に気を配る余裕は少ない。フランカーは2人が射撃体勢に入ったら、チームの近く、または後方に位置し、スナイパーとスポッターの視野の外を観察し、接近する敵、脅威が迫っていないかを監視する。脅威が迫ればそれを排除するか若しくは2人に警告し撤退するかの判断を仰ぐ。撤退する際はフランカーがカバーして先に2人を逃がす。また、射撃前にはスポッターと協力して射撃地点の制圧と安全確認を行う。フランカーは射撃時のセキュリティの全責任を負う。フランカーが居るおかげで2人は射撃に集中することができる。

周囲に危険が少ない場合はスポッターのサポートを行う。レーザーターゲティングや無線を使って、砲撃や航空支援要請を行ったり、司令部と通信を行う。フランカーは無線オペレーターとしての役割を担うスキルを持っている。

フランカーの装備

狙撃チームの三人目のメンバー「フランカー」とは?
出典:US Marine

スナイパーとスポッターとは違い、フランカーは観測機器は持っていない。武装に関してはM4などアサルトライフルになる。アタッチメントとしてグレネードランチャーや対戦車兵器を装備することもある。その他にもトラップ用にクレイモアや各種グレネードを携帯する。兵士の装備には重量制限があり、スナイパーとスポッターが持ち切れなかった予備弾丸やナイトスコープともろもろの荷物も携帯する。

必ずしも狙撃チームにフランカーがいるわけではないが、フランカーが居るか居ないかはスナイパーとスポッターの心理状況に大きな影響を与えるらしい。射撃に集中できる環境を構築することは狙撃の有効性をより高めることになる。

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