軍人はなぜ、ベレー帽を被る?その歴史

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軍人はなぜ、ベレー帽を被る?その歴史
出典:イギリス陸軍

帽子は軍人の服装の構成において必需品になっており、特に制服を着る時は必ず着用している。いくつかあるタイプの帽子の中でも印象的なのが「ベレー帽」だ。特に特殊部隊が平時や正装している時に「ベレー帽」を着用するのをよく見かけると思う。「グリーンベレー」と部隊名にも使われるぐらいだ。軍人のベレー帽の着用は100以上の国の軍隊で行われており、自衛隊でも採用されている。なぜ、軍人はベレー帽を被るのであろう。その理由と歴史について紹介する。

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ベレー帽の歴史

ベレー帽は15、16世紀頃のスペインとフランスの国境に近いバスク地方が起源とされている。その頃は貴族から農民、兵士までが日除け、風よけとして被る一般的な帽子だった。その後、ベレー帽はナポレオンによってヨーロッパ中に広まる。日本では手塚治などの影響で画家や漫画家の帽子のイメージが強いがピカソやロダンといった著名な画家が被っていた影響が大きい。

ミリタリーベレーの歴史

ベレー帽が軍用帽子、いわゆる「ミリタリーベレー」として初めて正式採用されたのは1880年代のフランスの山岳歩兵「シャサールアルピン(アルペン猟兵)」(写真上)といわれている。この時はまだヘルメットなどは存在せず、頭部の保護用として戦場でも着用された。ベレー帽の利点は安価で、大量生産ができ、丸めてポケットに入れたり、シャツの肩章の下挟むことができるなど持ち運びも楽ということもありベレー帽は第一次世界大戦で広がりを見せ、1918年には英軍戦車隊の帽子として採用される。この時になると歩兵は鉄製のヘルメットを被っていたが、戦車内では邪魔だ。ベレー帽であれば邪魔にならず、上からヘッドギアも着用できた。油汚れが目立たないようにと黒が採用され、それは今の王立戦車隊でも続いている。1930年代後半にはドイツ空軍のパイロットがベレー帽を採用する。戦闘用ヘルメットが一般的になる第二次大戦でベレー帽が戦場で被られることは少なるが、ヘルメットと比べ、頭や首に負担の少ない形状から特殊作戦に参加する兵士に使用され、ベトナム戦争ではネイビーシールズの隊員が迷彩柄のベレー帽を被り特殊任務にあたっていた。今では制服、正装時の着用が主だが、警備任務では戦闘服と合わせて着用する部隊もある。

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部隊による色分け

第二次世界大戦頃になると欧米の多くの軍がベレー帽を採用する。この頃より部隊によって色分けされたベレー帽が採用される。下記は米陸軍の部隊によるベレー帽の色になる。

第75レンジャー連隊:タンカラー
空挺部隊:マルーン(あづき色)
治安部隊とその配下:ブラウン
特殊部隊:グリーン
それ以外:ブラック

米陸軍では制服(ドレスユニフォーム)着用時はベレー帽を着用する。

陸上自衛隊

陸上自衛隊もベレー帽(略帽)は採用しているが、部隊に色分けは特になく、全て緑になる。PKOなど国際平和活動の部隊は国連の色の青色のベレー帽をかぶる。

色は部隊の証

部隊によって色を分けるのは部隊としての団結力と、証を意味づけ士気向上を図る狙いがある。特に空挺部隊や特殊部隊など、選抜と過酷な訓練経てではないと入隊できないエリート部隊が色分けされた。
米陸軍特殊部隊グリーンベレーの隊員の証である緑のベレー帽についてケネディ大統領はベトナム戦争中の1962年、「緑のベレー帽は優秀さの象徴であり、勇気の象徴だ。自由のための戦いにおける栄誉の印である」と賛辞送っている。

グリーンベレーに初の女性隊員が誕生!?
出典:アメリカ陸軍

緑のベレー帽はグリーンベレーの象徴であったが、同じ米陸軍内にあるデルタフォースのベレー帽も緑になる。緑のベレー帽は世界的にコマンド部隊の色になっている。

国によってたれ方が違う

ベレー帽は片方が垂れているのはお分かりかと思うが、実は国によって、垂れる側が左右異なる。右側にたらすのがイギリス式で、左側にたらすのがフランス式だ。この時、徽章は垂れない側になる。米軍や自衛隊はイギリス式の右側になる。

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