ゴーストオブツシマをプレイして思ったけど、なぜ?侍は盾を持たない?

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ゴーストオブツシマをプレイして思ったけど、なぜ?侍は盾を持たない?

Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)』というゲームをご存じだろうか?長崎県の対馬島を舞台にしたゲームで、チンギス・カンが築いたモンゴル帝国(蒙古)が1274年日本に侵攻した「元寇」の戦端である対馬侵攻を描いたゲームだ。蒙古によって支配された対馬を境井仁というサムライが取り戻すといった内容だ。神ゲーとして高く評価されており、私もハマった一人だ。海外製ながら日本の風景、侍の描写は細かく、甲冑などは日本人から見ても違和感なく作り上げられている。

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蒙古兵の盾兵と戦って気づいた

戦かう相手は勿論、蒙古兵になるのだが、やっかいな相手がいる。盾を持った盾兵だ。刀で斬撃しても盾で弾かれる。そんな盾兵を散々、相手にしていて、ふと思った

「なんで、仁は盾持ってないんだよ!ん?というか、そもそも侍っていつの時代も盾を持ってなくないか?」

そう、日本の侍、足軽って盾をもっていないのだ。鎌倉時代から戦国にかけての騒乱を描いた時代劇ものはマンガや映画を始めいろいろ見てきたが、盾を持っている侍を見たことは一度もない。日本は戦いに盾を使わないのだ。

盾の歴史

盾の歴史は古く、青銅で剣を作るようになった青銅器時代からとされ、紀元前14〜13世紀のエジプトのファラオラムセス2世の傭兵たちは既に盾を使って戦っていた。トロイの木馬で有名な紀元前12世紀の「トロイア戦争」では大型の盾を持った盾兵がおり、盾で壁を作る「盾の壁」が戦術としてあった。これらは映画『トロイ 』でも見てとれる。この頃から、西欧、ユーラシア大陸では手持ちの武器と盾はセットだった。10世紀頃のバイキングとイングランドの戦いを見ても、双方ともに盾は基本装備だ。その後、鎧の普及、重装甲化に伴い、盾を持つことは無くなり、15世紀には銃が登場、戦場の主役が剣から銃に代わると盾を使う事はなくなった。

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世界に先駆けて全身鎧を作ったのは日本

甲冑

日本の鎧といえば「甲冑」だが、その歴史は古く、弥生時代(紀元前1000~西暦300年)には既に木製の甲冑が誕生。古墳時代(250~538年)には金属製の甲冑を使用するなど実は世界的に見ても日本は全身鎧が使用するのが早かった。それに比べ、西欧で金属製の全身鎧「プレート・アーマー」が誕生したのは13世紀頃で、普及し始めたのは15世紀頃とだいぶ遅い。早々に甲冑が登場した日本では盾を持つ必要が無かったとされている。

※矢を防ぐための手に持たない据え置き型の「置き盾」は使用していた。

プレートアーマー

盾の壁の戦術が無かった

盾の壁」という戦術は古来より使用された戦法で陣形の前方に強固な盾兵で壁を作り、敵の進撃を止め、反撃のチャンスを伺ったり、押し返すといった集団戦法だ。西欧や中国と幅広い地域で紀元前時代から使用されていたが日本では使用されなかった。そもそも、日本は地形が複雑で開けた土地が少ないため、陣形を使った集団戦法があまり発展しなかった。その上、侍は一騎打ち好み、合戦の集団による戦いは形式的なもので実際は一対一の戦いだった。陣形が戦に取り入れられようになったのは戦国時代の頃だ。だが、その頃には戦場に銃や大砲が登場し、世界的にも盾の壁は廃れていた。

日本に盾が無かった主な理由は高度な鎧、甲冑が世界に先駆けて誕生していためだ。サムライは中世、最強の剣士と海外でもいわれているが盾を持った当時の西欧の騎士と甲冑を着たサムライは実際、どちらが強かったか?今はもう知る由も無い。

Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)
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