アメリカ議会はこの度、ウクライナ軍の戦闘機パイロットに訓練を導入する法律を導入しました。これにより、米軍が保有するF-15、F-16といった戦闘機プラットフォームを使用してウクライナ軍パイロットに訓練を行うことができます。これは将来的な米国製戦闘機のウクライナへの提供を見越したものと思われます。
When pilots talk stuff….
— Adam Kinzinger🇺🇦🇺🇸✌️ (@AdamKinzinger) June 22, 2022
These men are pilots in the Air Force of #Ukraine. Many people thought they’d be out of the fight on day one… but their STILL at it. I’ve introduced a bill to train them on NATO jets, so they can transition to the F-16. #SlavaUkrainii pic.twitter.com/7swVFKUcsK
6月17日、米空軍の退役軍人議員アダム・キンジンガーとクリシ・フラハンは、米軍の航空資産を使ってウクライナ軍の戦闘機のパイロットと乗組員を訓練する法律を導入したことを発表しました。この法案により、米国は、F-15、F-16、およびその他の航空プラットフォームでウクライナのパイロットと航空乗務員の訓練を開始することができます。プレスリリースによれば米国は引き続き、これらの機器をウクライナに提供することを検討しています。
アメリカはこれ以上、ウクライナの状況がエスカレーションしないことに希望を持ち続けていますが、ロシアがこのままウクライナの主権を脅かす侵略行為を継続するならば、ウクライナ軍が米軍の航空プラットフォームについて訓練を受け、精通することが重要であるということで一致しています。米国や同盟国がそのような装備を配備するかどうかにかかわらず、このプログラムはウクライナ軍を強化し、長期的な安定と安全を確保します。
キンジンガーとフラハンの両氏は、ともに米空軍に勤務した経験があり、航空戦闘の優位性を確立することの重要性を認識しています。これまで伝えられる情報によればウクライナ、ロシア共に航空優勢を確立できていません。米国はウクライナが航空領域の状況を変えるのを助けることができ、ウクライナ軍に戦争で決定的な航空優位性を与えることができます。
例え、此度の戦争で航空機の提供ができなかっとしても、戦争終結後も引き続き続くであろうロシアの脅威に対し、ウクライナ空軍は失った航空戦力を早急に回復、むしろ強化させる必要があります。ウクライナ軍がこれまで使用してきたソ連製戦闘機のMi-29やSu-27を調達しようにも、同じく同機使用してきた近隣の東欧諸国も老朽化やウクライナにパーツを提供するなどして、稼働率は下がっており、新たに入手することは難しいと思われます。航空戦力が早急に回復でき、ロシアに対抗できる戦闘機を手に入れるベストな方法が米国製戦闘機への切り替えです。特にF-16は米軍をはじめ西側の国で今後退役を予定しており、融通が利きます。実際、隣国ブルガリアは先日、古いソ連製のMig-21を一掃し、ノルウェー軍が使用していた32機の中古のF-16の購入を決めています。ウクライナ空軍の主力戦闘機も将来的に米国製のF-16に切り替わると思われ、今回の米国の法律の導入はその布石と思われます。
Source
https://kinzinger.house.gov/news/documentsingle.aspx?DocumentID=402979