米国防総省は6月8日、ベルギーの銃器メーカーFNハースタル社の子会社であるFN America LLCと主力の汎用機関銃であるM240シリーズのバリアントとレシーバーを調達するために新たに2026年までの5年間、総額9200万ドルの固定価格契約を結んだことを発表しました。これは米軍がM240機関銃を使い続けることを意味します。
M240汎用機関銃
M240機関銃はM60機関銃の後継としてベトナム戦争後の1977年に米軍に採用された7.62x51mmNATO仕様の汎用機関銃です。M240はFN MAGを米軍用に改修設計された機関銃でFN Americaによってサウスカロライナ州で製造されています。M240は陸海空軍・海兵隊、沿岸警備隊とほぼ全軍で採用されており、歩兵の携行用から、車載、艦艇、航空機の搭載銃器として使われています。そのため用途に合わせてM240B、M240G、M240D、M240Hなど計9つのバージョンのM240が米軍用に開発されています。重量は12.5kgと重く、通常はバイポッド(二脚)または三脚を装着した固定射撃、車載用搭載マウントなどに装着して使用されます。
M240の後継機が噂されていたが
M4ライフル、M249軽機関銃と並ぶ米軍地上部隊の主力銃器になりますが、既に採用から40年以上が経過しています。M240よりも後に採用されたM4ライフルとM249は現在、後継機となる「次世代分隊支援火器(NGSW)」の検討が進んでおり、M240機関銃の後継の開発、選択も検討されていると噂されていました。
米軍では現在、M249軽機関銃(5.56mm弾)、M240汎用機関銃(7.62mm弾)、M2重機関銃(12.7mm弾)の3つが主力機関銃として使用されています。NGSWでは5.56mmと7.62mmの中間となる6.8mm弾が採用され、M249(5.56mm弾)はNGSW(6.8mm弾)に置き換えられます。さらに米軍特殊作戦(SOCOM)は昨年、M240とM2の間の口径となる.338ノルマ・マグナム弾(8.6×70mm)を使用するSIG MG 338汎用機関銃を採用しています。MG338はM240よりも軽く、射程も威力も高い汎用機関銃です。
このような動きがあるなか、今後数年でM240も交換されるのではと噂されていましたが、今回の米軍の新たな契約はまだしばらくM240を使用し続けることを意味しているのかもしれません。
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Source
https://www.guns.com/news/2021/06/09/fn-wins-92-million-army-contract-for-m240-machine-guns