「シャークマウス」をご存じですか?第二次世界大戦でアメリカ軍の戦闘機が敵を威嚇するため機首に描いた鮫の口、歯のアートになり、「シャークティース」、「シャークフェイス」とも呼ばれます。今日の戦闘機に描かれることは少なりましたが、様々なシーンで目にすることがあります。「シャークマウス」の歴史と現在の使用状況について紹介します。
シャークマウスの歴史
シャークマウスが誕生したのは第二次世界大戦になります。シャークマウスというとアメリカ軍のイメージが強いですが、実はドイツ空軍メッセーシュミットBf110sの機首に描かれたのが一番最初になります。ギリシャのクレタ島でシャークマウスと始めて戦闘をした北アフリカのイギリス空軍112中隊のメンバーたちがP-40ウォーホーク戦闘機にシャークマウスを描きます。その後、中国での日中戦争で中国国民党軍を支援していたアメリカ合衆国の戦闘機部隊フライングタイガーがこれを真似して自軍のP-40に取り入れ、有名になります。当時、日本軍の隼や九七式戦闘機はシャークマウスをあしらったP-40と戦っていたわけです。
シャークマウスはA-10攻撃機に
その後、戦闘機の主流はジェット機になり、機首の形状も変わり純粋な戦闘機には使用されなくなります。また、機首にペイントするノーズアート自体がアメリカ軍の規制が厳しくなり、ノーズアート自体も少なくなってきます。しかし、1991年の湾岸戦争で活躍したA-10攻撃機にシャークマウスがペイントされており、再び脚光を浴びます。A-10は対地攻撃に強い近接戦闘航空支援機になり、ベトナム戦争時代に登場、以後40年経た今でも活躍する機体です。
装甲車やトラックなど地上車両に対して無類の強さをほこり、まさに地上の獲物を狩る鮫のようですが、別名は”ウォートホッグ”と呼ばれ日本語に訳すと「イボイノシシ」になります。そこでA-10にはシャークマウス以外にもイボイノシシマウスをペイントしたモデルも登場します。イノシシ特有の牙が特徴です。飛べないイノシシ(豚)はただのイノシシ(豚)ですがA-10は飛べるイノシシなのです。
他にも蛇の頭をあしらった、スネークマウスもいます。
自衛隊の航空機にもペイントされている
シャークマウスは日本でも見れることができ、茨城県の航空自衛隊百里機に所属する偵察機RF-4Eファントムにシャークマウスがペイントされています。百里基地で開催される航空祭に行けば間近で見れるかもしれません
戦闘機以外にも広まるシャークマウス
シャークマウスはその攻撃的でクールなデザインから今では戦闘機以外にも広まっており、ヘリや銃、一般の車などにも取り入れられています。また、デザインとしてファッション領域でも人気が広がっています。
ブラジルの航空機メーカーエンブラエルが民間旅客機にペイントしたシャークマウスになります。
車にシャークマウスは多く、ボディに貼るステッカー・デカールも販売されいます。
AP シャークマウスステッカー シボ調加工 車のボディなどに! デザインA AP-SHARKMS02-A 入数:1セット(2枚)
エアガンにもシャークマウスは合うかもしれません。
機動戦士ガンダムに登場するボールにもシャークマウスモデルがあります。『MS IGLOO-1年戦争秘録-』で登場します。
MG 1/100 RB-79 ボール (シャークマウスマーキング仕様) (機動戦士ガンダム MS IGLOO)
ファッションとしてはバッグのデザインとして取り入れられることが多い。
SPRAYGROUND (スプレーグラウンド) バックパック Grey Sharks In Paris Backpack (ブラック/グレー)
シャークマウスを生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。