アヒル歩きとは腰を落とし膝を曲げてしゃがんだ状態で歩くことです。アヒルのようにお尻を振り振りして歩くような姿がアヒルの歩く姿に似ているため、そのように呼ばれます。
アヒル歩きの起源はギターリストのティーボーン・ウォーカー(T-Bone Walker)が1930年にライブパフォーマンスで披露した歩き方になる。今日ではアヒル歩きは体幹を鍛え腰、太もも、下肢の筋肉を安定させるため、サッカーやラクビーなどスポーツ競技において足腰の強度と持久力を高めるフィジカルトレーニングの一環として用いられています。
入隊試験でアヒル歩き
このアヒル歩きがアメリカ軍の新兵の入隊試験(MEPS)の25個の体力試験の1つして用いられています。このアヒル歩きができない者はアメリカ軍に入隊することができません。それはなぜなのでしょうか?
扁平足だとアヒル歩きができない
アヒル歩きの試験は偏平足ではないかの確認を目的にしています。人の足裏は一般的にアーチ状をしており、土踏まずがあります。偏平足は土踏まずがなく、足裏が平らになっている状態の足のことを指します。人は皆、偏平足で生まれ、5~8歳ごろまで土踏まずが形成されていきますが形成されない場合があります。また、大人になってから運像不足や筋力の低下、体重の増加に伴い土踏まずが消えてしまうこともあります。
扁平足だとどうなる?
扁平足の状態だとどうなるかというと、歩行自体に特に支障はないが、歩行時の衝撃の吸収、緩和がしずらくなり、疲れやすくなったり、長時間の歩行を行うと足や腰、背中に痛みが生じ、長時間の歩行が難しくなります。
軍隊において長時間の行軍は必然です。特に陸軍、海兵隊は地上での作戦行動が多くなります。その為、入隊時に偏平足かどうか、運動時に痛みを伴わないかが重要になり、そのテストのためにアヒル歩きを課しています。現在は偏平足だから入隊はできないという事はありません。 扁平足であっても入隊試験のアヒル歩きが完遂出来れば入隊は可能になります。しかし、無理をすれば自身が今後、痛みに苦しむことになります。
アヒル歩きは戦術上も重要
戦場において身を隠すことは大切です。アヒル歩きは身を小さくしつつ上体を起こし、視野を確保しながら両手が使える状態で歩行できるので、狭い場所でも即応性に優れた歩行姿勢になります。
自衛隊の入隊は?
日本でも戦前の徴兵制度における陸軍身体検査規則の体格検査では肥満など合わせ扁平足では無いことが求められていました。今日の自衛隊において扁平足だからと言って入隊できないという事は無いようです。しかし、訓練に支障をきたすような症状が出るようであれば難しいかもしれません。
扁平足は治る
扁平足は治療が可能です。兵士にならなくても、偏平足は日常の生活に支障をきたす可能性があります。もし、あなたが、疲れやすい、歩くと直ぐに足腰が痛くなるという症状があれば扁平足を疑ってください。扁平足であれば専門の整形外科を受診してください。
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