『Back-To-School Essentials(新学期の必需品)』というタイトルの動画が現在、アメリカで注目を浴びている。学校の新学期を迎える上での必需品を紹介する動画なのだが、今のアメリカの社会問題になっている学校での銃乱射を批判、皮肉る内容なのだ。
必需品の使い方に衝撃
学校での必需品といえば文房具に教科書や体操着であろう。この動画で紹介される必需品も学校ではよくみる道具ではあるが使い方が日本とは大きく異なるのである。
陽気な音楽で始まる動画では小学校の高学年らしき人物が登場し、ありふれた道具を紹介していく。勉強の必需品としてヘッドフォンを紹介するのはアメリカらしい。開始10秒ほどは普通の動画なのだが、次第に自体が急変する。何か異変に気づいた子供たちが走り出すのである。
学校内で銃乱射事件が発生
異変に気づいた子供たちは身の回りの道具を使って自己防衛を行う。女の子はジャケット脱いで扉の取っ手縛り、犯人の侵入を防ぎ、男の子はスケートボードで窓ガラスを割り、学校から脱出、教室に閉じこもる男女はハサミとペンを手に持って待ち構える。怪我した女の子を手当てする際にはソックスを止血帯と使用する方法を紹介。そして、最後にはトイレに隠れた少女が母親にスマホから「愛してる」とメッセージを送る。しかし、その時、トイレに何者かが近寄る足音が……
これは何のための動画?
この動画を作ったのは児童20人を含む26人が死亡した2012年にアメリカのコネチカット州で起きた「サンディフック小学校銃乱射事件」の被害者遺族によって設立された非営利団体「サンディフックプロミス(SHP)」になる。
アメリカではこれまで22回もの学校乱射事件が起きている。子供たちが銃乱射事件に巻き込まれることは既に身近な問題になっており、同団体は親や子供に動画を通じてその現実に気づかせ、のんきに学校に行く時代は過ぎ、自身で身を守る術を訴えている。