アメリカ海軍特殊コマンドの特殊部隊であるネイビーシールズ(NAVY SEALs)。海軍である彼らは、海上、海中での作戦活動が多く、そんな彼らの乗り物はというと海中から敵拠点に侵入するための小型輸送潜水艇のSDV(SEAL Delivery Vehicle )、海上からの場合はCRRC(Combat Rubber Raiding Craft)というゴムボートが使用されており、映画などでも見た事ある人は多いと思います。これらは主に標的への舞台の隠密輸送が目的でになり、その分、機動性や小回りが利かず、海上で動く標的や海上探索など多様な作戦には適していませんでした。そこで、アメリカ海軍では2017年からシールズでジェットスキーの導入を始めています。
小回りが利くジェットスキー
ジェットスキーはゴムボートや潜水挺と比べると乗員は最大2~3名と少なくなりますが、その分、小回りがきき、浅瀬の水域でも行動が可能なのが大きな利点です。小型なので、航空機や車で運搬することも可能です。スピードも優れており時速100km以上のスピードが出せます(高速艇と呼ばれる船の速度が80~90㎞)。しかし、その分、静寂性の観点では潜水艇やゴムボートなどには劣り、隠密作戦というよりは、存在がばれている、ばれてもよい時に用いられる乗り物になります。
そして、そのシールズのジェットスキーに採用されたのが日本の企業ヤマハが開発するジェットスキーになります。
ヤマハMJ-FX クルーザー SVHO
楽器やバイクで有名なヤマハ(YMAHA)ですが、ヤマハ発動機においては船舶関連も製造しており、警備艇や救難艇の製造もおこなっています。水上バイクにおいては世界1,2位のシェアを握っています(ライバルはカナダのボンバルディア社)。シールズが採用しているのがヤマハマリンジェットの代名詞的存在、“キングオブクルーザー”こと「MJ-FX Cruiser SVHO」シリーズです。1800㏄の大排気量エンジンに超軽量素材「NanoXcel 2」を採用した軽量・高性能クルーザーになります。価格はメーカー希望小売価格で2,386,180円になります。
基本は民間仕様のモデルをそのまま使用しているようです。特殊部隊向けのカスタマイズなど細かい仕様があるのかどうか不明ですが、安定性、浮力、衝撃吸収性を高めるため、ゴムボートにも使用されるインフレータブルを追加しています。救命用の牽引式の担架を後方に着用することも可能です。武装に関するオプションは今のところ無いようですが、バイクなどと同様、現状は後部座席の者が攻撃を担う形になります。
既に各国の特殊部隊ではジェットスキーの導入は進んでおり、カナダやスウェーデン、ロシアなど海洋国の間では導入が進んでいます。日本とはいうと、警察や海上保安庁はもちろん配備されています、自衛隊はまだのようです。離島防衛のために必要な気がしますが、これからですかね。
https://nationalinterest.org/ アメリカ海軍特殊戦コマンドの管轄部隊である特殊部隊ネイビーシールズ(Navy SEALs)は、任務の特殊性から正規部隊と違い、使用する武器に関してある程度、役割も踏まえ[…]
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/marinejet/fxcsvho/
https://www.popularmechanics.com/military/a28810828/navy-seals-jet-skis/