ブルキナファソで人質救出したフランス特殊部隊ユベルとは

フランス海軍特殊部隊ユベル(Hubert)
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西アフリカ内陸部に位置するブルキナファソという国で先日、テロリストに囚われたフランス人男性旅行者2人の救出作戦がフランス政府主導のもと、行われた。救出に派遣されたのはフランス海軍特殊部隊「ユベル(Hubert)」。部隊は2人のフランス人を救出すると共に、情報にはなかった米国人女性と韓国人女性の2人の人質を偶然発見し、合わせた4人を救出した。しかし、作戦中にテロリストの攻撃を受け、隊員のセドリック・ド・ピエルポンさんとアラン・ベルトンセロさんが命を落としてしまう結果になった。ブルキナファソではここ数か月、イスラム過激派組織が攻撃を激化させ、治安が悪化しており、フランス政府からも渡航の回避勧告がされていた。

【5月10日 AFP】(更新、写真追加)フランス軍は9日夜から10日にかけて、アフリカ西部ブルキナファソ北部で人質となっ…

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救出作戦の内容

仏紙ル・パリジャンで作戦内容の詳細を伝えている。誘拐した組織は隣国のマリに拠点を置くイスラム武装組織マシナ解放戦線であり、フランス軍は2人が誘拐され、ブルキナファソからマリに移動していることを把握したが、武装組織が人質を連れて無法地帯のマリに入れば、救出は不可能になると判断し、人質救出を急いだ。9日夜に特殊部隊ユベルの20人が作戦に投入された。彼らは、人質と武装組織がいる隠れ家に向かったが、隠れ家の10メートル手前で監視兵に発見され発砲される。応戦して人質が銃弾を受ける恐れがあるためユベル特殊部隊員達は発砲しなかった。その過程で、ピエルポンさんとベルトンセロさんが銃で撃たれた。人質を救出後に、応戦し、武装組織側は4人が死亡している。

14日にはマクロン大統領も出席して亡くなった2人の兵士の追悼式典が行われた。仲間の特殊部隊員は特殊任務を担う性質上、顔が出せないため、マスクを付けている。式典には一般の人含め多くの人が参列した。
フランスは2013年より、西アフリカのマリ北部を一時支配下に置いたイスラム過激派を掃討するため軍事介入している。今回死亡した2人を含めてこれまでに26人のフランス軍兵士が亡くなっている。

フランス軍特殊部隊ユベルとは

ユベル(Hubert)はフランス海軍陸戦・コマンド部隊(Force maritime des fusiliers marins et commandos:FORFUSCO)傘下の特殊部隊。7つある部隊の内の1つになり、その中でも最も権威ある部隊といわれている。スキューバダイビング専門部隊になり、以前はフランス情報局(DGSE)直属の部隊であった。海中での作戦行動と海上での対テロ活動、人実救出を専門にしており、その能力はアメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALDsと同等ともいわれる。

フランス海軍特殊部隊ユベル(Hubert)
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部隊の記章は、海軍の錨、短剣、鷲という伝統的な部隊のシンボルで飾られていまる。それは、部隊が3つの環境(陸上、空中、海上)のスペシャリストであることを示し、部隊が完璧で広い次元での活動可能なことを想起させている。

特殊部隊の部隊名は第二次世界大戦とインドシナ戦争で戦死したコマンド部隊の将校の名前からとっており、ユベルは1944年、第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦で戦死した海軍特殊部大隊所属のオーギュスタン・ユベル中尉の名前から取っている。1947年に創設され、1953年に今の作戦ユニットなる。最近の作戦活動としては2008年にはソマリア沖で海賊に囚われた人質を救出。2011年には北アフリカのリビアの紛争にも派遣され、2014年には在リビアフランス人の避難作戦にも参加している。

亡くなった2人の隊員にはご冥福をお祈りします。

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