ブラックオプス(Black Ops)と聞くとテレビゲームの「Call of Duty Black ops(コールオブデューティー ブラックオプス)」を連想する人は多いだろう。しかし、このブラックオプスはゲームだけの名前ではない。ブラックオペレーション(Black Operation)という実際に使われている作戦の一つになる。
ブラックオペレーション(Black Operation)とは?
直訳すると「黒い作戦」と意味になるが、これが暗に示すようにブラックオプスは「秘密作戦」という意味になる。つまり、通常の軍事活動や諜報活動とは違う、公式任務外の作戦行動になる。作戦を知る者は作戦を指揮するオペレーションリーダーと限られたスタッフ、そして一部の上官のみが知る極秘作戦になる。
作戦書類はブラックアウトされる
極秘任務であるため、作戦書類はミッション開始のブリーフィング直後に重要事項は黒く塗りつぶされブラックアウトされる。その後、第三者が作戦の詳細を知ることはできない。
援護も救助も来ない
映画「ミッション・インポッシブル」で、 諜報員組織IMFがトム・クルーズことイーサン・ハントに任務を依頼する時に最後にこう言っているの聞いたことが無いだろうか、
「君あるいは君の仲間が捕まり殺されても、当局は一切感知しないものとする。」
ブラックオプスは政府や軍の公式任務ではない、組織内においても口外されていない極秘任務になるため、救援が必要になっても公式の支援は受けることができない。仮に捕まっても政府は無関係を装い救助は無く、亡くなっても遺体を回収されることはない。
身分が分かるものは身に付けられない
ブラックオプスは政府や組織の関与を隠したい任務が殆どになる。そのため、作戦に参加するオペレーターたちは、自身の国籍または所属ユニットを識別、推測されるユニフォームまたは装備品、パッチの一切を着用することが許されない。スパイ活動において、彼らは自分たちの姿を隠し、現地に溶け込むために、民間人装った格好をしたり、身分を偽装したりもする。
ブラックオプスを行う主な組織
・USSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)
・FBI(アメリカ連邦捜査局)
・CIA(アメリカ中央情報局)
・Mossad:モサド(イスラエル諜報特務庁)
・MI6(イギリス秘密情報部)
・ASIO(オーストラリア保安情報機構)
・COMANF(ブラジル海兵隊特殊作戦大隊)
・DGFI(バングラディシュ情報総局)
・ISI(パキスタン軍統合情報局)
・RAW(インド調査分析局)
・MSS(中華人民共和国国家安全部)
・FSB(ロシア連邦保安庁)
実際にあったブラックオプス
9/19/01: Eight days after 9/11, CIA officers pick up $3 million cash in three cardboard boxes. This money would enable the Northern Alliance (NA) commanders to pay their troops and convince other tribes to rally to the NA rather than fight them.#15Days pic.twitter.com/ykYJMKBngy
— CIA (@CIA) September 19, 2019
極秘任務であるブラックオプスの作戦概要は非公開になり、どの作戦がブラックオプスだったのか我々が知ることはできないが、最近CIAの公式Twitterで公開された作戦がある。18年前の2001年の9.11テロから僅か8日後にCIA職員がロシア製のMi-17ヘリコプターに乗り、アフガニスタン北部の反タリバン勢力に段ボールに入れた300万ドル(3億3千万円)の現金を届けている。これは彼らへの軍資金と、アメリカへの協力を得るためだった。この時、アメリカ軍のヘリは使わずロシア製を使い、CIA職員の装備は銃こそアメリカのM249軽機関銃とM4ライフルを持っているが、格好はTシャツ、チノパンという一般人のような格好だった。