ウクライナ軍の空挺部隊は、5月22日、ルハーンシク州で1機のSu-25攻撃機を撃墜しました。その機体は元ロシア空軍少将で63歳のカナマット・クセエビッチ・ボタシェフ氏によって操縦されていたとされ、同氏は戦死したとされます。
Russian Su-25 shot down near Lugansk this morning.
— Expat in Kyiv (@expatua) May 22, 2022
The barbarian trash pilot did not eject. pic.twitter.com/DCGyumZMtv
元将軍の死はロシアのSNSの航空軍事に関するコミュニティで報じされており、元将軍の乗るSu-25はポパスナ地区を飛行中、ウクライナ軍空挺部隊の発射した携行式対空ミサイル”スティンガー”によって撃墜。パイロットは脱出しませんでした。
63歳の元空軍少将がパイロットとして自ら攻撃機を操縦して、撃墜される危険性がある激戦地を飛行するのは極めて異例です。なぜ、元将軍は自ら操縦かんを握って、戦闘に参加したのでしょうか。
軍から解雇された少将
元将軍とあるようにカナマット・クセエビッチ・ボタシェフ氏は現役の軍人ではありません。1959年生まれの同氏は1981年にエイスク高等軍事航空学校を卒業するとパイロットに。その後、着々とキャリアを重ね少将に昇進。ボルチモア空軍基地の司令官を務めるなどします。2012年にベソヴェツ空軍基地に着任すると、同基地所属する部隊23326-2の指揮官であるYevhen Oliynyk大佐にSu-27戦闘機に乗るよう命令。ボタシェフ氏も副操縦席に乗り、操縦かんを握ると同氏は空中で曲芸飛行を行おうとして、機体のコントロールを失い、脱出。機体を破壊する不祥事を犯し、2013年に2人とも軍から追い出されます。同氏はその後、サンクトペテルブルクの航空クラブの副所長としてロシア連邦のDOSAAF（陸軍、航空、海軍との協力のためのボランティア協会）で働いていました。
Wagner Group shares a video of a Su-25 attacking 🇺🇦 positions in Popasna. However, they claim this is not 🇷🇺 Air Force. The cryptic message hints at ‘mercenary’ (?) plane which has also been seen in Africa. Three translations with a TG message chain below linking to the Group.🧵 pic.twitter.com/F1odpwJNpW
— Dmitri 🇺🇦 (@mdmitri91) May 10, 2022
軍属ではない彼がどういった経緯で今回のロシアのウクライナ侵攻にSu-25のパイロットと参加したのかは不明です。推測されているのは同氏がロシアの民間軍事会社ワグネルに入隊していたのではということです。世界最大の民間軍事会社の一つであるワグネルは軍用機や戦車といった大型兵器も所有しています。5月11日にはワグネルがウクライナで撮影したとされる軍属ではないSu-25に乗るパイロット視点の映像がSNSに投稿されていました。
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