自衛隊は12式地対艦誘導弾の射程が足りないので開発費を増額して延ばします

自衛隊は12式地対艦誘導弾の射程が足りないので開発費を増額して延ばします
写真 陸上自衛隊

共同通信の報道によると政府は、東シナ海で脅威を増す中国を念頭に陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾(12SSM)の射程を現行より大幅に伸ばす方針を固めました。2021年度予算案で概算要求の27億円の開発費を大幅増額して約12倍となる330億円超にする方向で調整しています。開発費の増額により、12SSMの射程を今の倍にする予定です。配備は沖縄県・宮古島駐屯地を想定しており、東シナ海、尖閣諸島周辺での活動を活発化する中国への牽制と、南西諸島防衛を強化する狙いがあります。

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12式地対艦誘導弾とは

2012年度から調達が開始された陸上自衛隊が装備する地対艦ミサイル(対艦誘導弾)システムです。三菱重工業が開発しており発射機は重装輪車両に搭載されており移動式になります。ミサイルは搭載されたセンサーで自律誘導するINS(慣性航法装置)、電波を照射するARH(アクティブ・レーダー・ホーミング)に加えGPSガイダンスに強化されたネットワークにより艦船や航空機など他のプラットフォームからターゲットを変更、調整することが可能です。強化された地形輪郭マッチングと目標識別能力により精度が向上しています。射程は最大200kmです。

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今の12式では射程が足りない

陸上自衛隊は2020年4月に沖縄県宮古島市の宮古島駐屯地にミサイル部隊を新設、12式地対艦誘導弾(12SSM)を配備しました。宮古島は東シナ海と太平洋をつなぐ要衝に位置し、中国海軍は何度も沖縄本島と宮古島の間の宮古島海峡を通過しています。

この宮古島海峡の幅は最大260kmです。さらにいうと尖閣諸島までの距離は208kmです。つまり、現行の12SSMの射程200kmを越えておりカバーしきれていません。有事が起きても、射程外に敵がいては意味を成しません。さらに人民解放海軍のミサイル駆逐艦055型、昆明級(052D型)に搭載されているYJ-18対地巡航ミサイルの射程は最大540kmとされており、12SSMに対して余裕でアウトレンジから攻撃が可能です。

開発予算増額によりアップグレードが上手くいけば、SSMの射程は現在の200kmから倍の400kmになります。宮古島海峡、尖閣諸島はもちろん、台湾本土まで到達する距離になり、宮古島周辺海域を全てカバーできることになります。

一刻も早い開発が待たれます。

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https://jp.reuters.com/article/idJP2020120701002457

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