内戦が続く中東のイエメンで水汲みに行った9歳の女の子がスナイパーによって狙撃されると何とも痛ましい事件が起きた。
Middle east monitorの報道によるとアラビア半島南西部にあるタイズという都市で10歳のルワイダ・サレちゃんは家族のために水汲みに行った。小さな体で水の入った20リットルのタンクを運ぼうとしたところで頭を狙撃された。その一部始終を収めた画像がSNSで拡散され世界中で避難と怒りの声が上がっている。
صورة | رغم استمرار المخاطر المحدقة.. طفل غامر بحياته لإنقاذ وسحب طفلة مصابة برصاصة قناص ميليشيات الحوثي شرقي مدينة #تعز#الحدث_اليمني pic.twitter.com/zoIrbVajGH
— الحدث اليمني (@Alhadath_Ymn) August 17, 2020
投稿された写真では兄弟と思われる男の子が女の子を引きずり助けようとしているのが見てとれる。引きずった跡に見える血の跡が何とも痛ましい。
女の子は亡くなったという報道も流れたが、地元メディアによると幸いにも一命をとりとめ、集中治療室で治療うけており、容態は安定している。
狙撃手の都市タイズ
狙撃を行ったのはイランの支援を受ける反政府勢力フーシ派の狙撃手と見られている。日本で報道されることは少ないがイエメンでは2015年から内戦が続いており、イエメン第三の都市タイズは内戦が最も長引いている地域の一つ。この地は新政府派と反政府派フーティ族に包囲され交戦が続いている。荒廃した都市には互いの狙撃手が潜んでおり、「狙撃手の都市」と呼ばれている。正規軍ではない両者だが、彼らのようなテロリストや民兵の狙撃手はとりあえず、動くものは全て、女性から子供まで撃つことがあるとされる。9歳の女の子であれば当然、非戦闘員ということを認識できる筈であり、見割かなく狙撃をしたのだろう。今回はSNSに投稿されたことで明るみに出たが、イエメンでたびたび子供が標的になっている。イエメンでは既に犠牲者が数十万人を超えているとされ、「世界最悪の人道危機」といわれている。